日曜日, 5月 23, 2010

中央と金沢の格差?

金沢の建築家が大なり小なり構造エンジニアの人材不足を指摘しているのは事実としてあります。しかしそれは本質ではないとおもいます。発想の飛躍がないプランに先端の技術が本当に必要か?「2mのキャンティレバーが1.5mしかできない」程度の話なら地方と中央の技術の差という問題ではありません。

これだけ通信が発達した時代に中央の優秀な技術者とコラボレーションすることもそんなに困難な事ではありません。メディアに登場する建築の半数ぐらいは地方の建物ではないでしょうか。建築家が東京の方で現場が地方の住宅なんてたくさんあります。

実際に私が設計した市内の住宅は東京の構造家さんと電話とメールで9割方事足りました。市内のエンジニアにもヒアリングしましたが、建物全体のシステムと構造のシステムを一致させて考えてくれるかどうかという一点が決め手でした。

地元の構造エンジニアでも設計できたのかもしれません、しかし建築家が構想する全体システムを理解してよりよい提案をする態度は大きな差ではないかと思います。それは建築家がクライアントの指示だけで作るのではなく、敷地のコンテクストを読み取ることや時間の経過を加味することで施主の表面的な要望以上の利便性や感動を付加できないか格闘する事と同じだと思います。 これをやらず雑誌のコピーをしたいがための建築家のエンジニア批判は滑稽でしょう。先日もある展覧会を見ましたが、新しいっぽい建物ほどコピー元が想像されます。

すなわち技術の差の前に施主であれ建築家であれ構造家であれパートナーの思いを汲み取る気があるか、さらに良いものを提供したいかどうかではないでしょうか。
地方と都会で違いがあるとすれば、競争の激しい都会ではよりパートナーの目が厳しい事なのでしょうか。できなければ、満足感を与えられなければ代わりは大勢いるのですから。
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