木曜日, 12月 09, 2010

本多の森ホール

先日金沢の本多の森ホールに行ってきた。旧名金沢厚生年金会館。他の厚生年金施設同様2008年に売りに出された当時はマンションになるとかいろいろ噂があったが今もホールとして使われている。香林坊から歩いて兼六園を通る道中、やっぱりここはホールでよかったなと思う。



設計は昨年亡くなった黒川紀章さん、本多の森は1977竣工。日本の近代建築の巨匠、では納まらず世界的建築家・都市計画家と言わなければならないと思います。メタボリズムの提唱者の一人。
なんか結構金沢では黒川さんに批判的な人が多い気がします、なんか言ってるほうが小さく見える事が多いような。よく聞くのは利休鼠色のタイルがどうのこうのと。

そこは置いておいて、ホールなんだから内部空間について見てみる事に…。

その少し前に富山のオーバードホールにも行ってきた。オーバードは1996年20年の開きがある。
どちらも多目的ホールなのでプロセニアム形式だけれども門型のきっちりしたものではなく客席の天井・壁と一体的なプロセになっているのは共通。
多目的ホールなので…、というのはホールの代表的なのは音楽ホールと演劇ホールで音楽ホールは大きな楽器みたいなもので舞台と客席がワンルーム、演劇ホールはオープン形式とプロセニアム形式があって舞台が客席に囲まれるものと、額縁で区切られる違いがある、地方のホールではクラシックもやれば演劇も歌舞伎も講演会もみんなそこでするので一つの形式には決められない…豆知識。

舞台形式が同じでも大きく違ったのは客席の作り方。
オーバードは5階バルコニーまである。舞台と客席の距離を近づける事がホールでは大事と昔劇場の設計ですっぱく言われた。2000人を出来るだけ舞台に近づけようとすると縦に積んで行く事になる。
対して、本多の森ホールは1800席の扇方ワンスロープの客席。元野球場の敷地なのでその形を活かしたとか。黒川さんらしいか?
上のセオリーで行けば当然客席の奥行きが深くよくないホールとなる。




が…、しかし、今回の率直な感想は巨大な扇方のワンルーム空間の迫力に軍配。
「客⇔演者」の関係では奥行きは短い方がいいに決まっている。
しかし「客たち⇔客たち」の関係が生まれやすいのはと考えれば一体感がオーバードとは格段に違う。
家でテレビ見ているんじゃないし、映画館でスクリーンを見ているのでもないのだからホールにも横の関係性もいるんだなと思いながら友人と帰りに焼き鳥を食べる…。



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