土曜日, 6月 12, 2010

一次エネルギー

先週は省エネの「前提」を挙げましたので、徐々に内容の規模を小さくしていきます。

その前に、前回の答えを具体的数値を抜きにして少しだけ、
CO2削減=エネルギー削減
つまり、不況になれば必然的にエネルギーの消費は減るのでCO2削減へ繋がる。
オイルショック以降、産業界のCO2排出量は省エネ設備導入や作業効率改善でかなりの省エネ化が進んでしまいました。故に、建設業の劇的なCO2削減を進めても全体の劇的な効果には繋がりません。
に、対して、家庭でのエネルギー消費量は年々増加中なので、この分野に対してはそれなりの効果は期待できる。
しかしながら、人間が放出しているCO2年間約80億トンというのは地球全体で見ると非常に微々たる量(ただし、自然界が吸収できる許容量を大きく超えているため問題が発生している)。
つまり、地球全体のCO2の循環は非常に大きなサイクルを持っている。今すぐ、CO2排出を止めたところで、CO2濃度が落ち着くのは1000~2000年という長~い年月が必要になる。
これだけ、書くと建設業で努力している技術や社会的意義は無いように思えますが、必ずやらなければならないことであることは追記しておきます。地球全体のCO2量、惑星の規模を考慮すると、行き着く姿は、人間が生存できなくなるどころか、表面温度460℃の究極に温暖化した金星と同じ状態である。


と、前置きして、
CO2削減=エネルギー削減
を考える上で重要なのは、エネルギー量を「一次エネルギー」で考えることです。

一次エネルギー・・・自然から直接得られるエネルギーで、石炭、石油、天然ガス、化石燃料、ウラン、水力、太陽光のこと。
それに対して、二次エネルギーは使用可能な形態にしたもので、電気、都市ガス、灯油等のこと。

一次エネルギーから二次エネルギーに変換させるときにはロスが生じる。このロスを考慮しなければ、wedさんが書いたように、思い違いが生じる。
二次エネルギーの「電気」について、一次エネルギー100%から換算すると、排熱ロス・変換ロス・送電ロスなどで63%が消え、活用されるエネルギーは残りの37%になる。
この効率が悪いことは理解いただけたと、
例えば、電気自動車に乗って電気スタンドで、電気を補充する行為は、思いのほかクリーンではない。

これに対して、天然ガスから都市ガスへの変換は非常に少ない。
例えば、水素ガス自動車が水素ガススタンドで、水素を補充する行為は、間違いなくエコ。

建築において、注意して頂きたいのは、つまり、「電気」を使用する省エネ設備機器の効率と、「ガス」を使用する省エネ設備機器の効率をパンフレットのまま単純に比較するのは間違いという事実。
効率ではなく、一次エネルギーの消費量で考えなければ正しくないのです。

詳しくは、建築技術2010.1号 参照

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 金沢情報へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

金曜日, 6月 11, 2010

金沢の街並1

レム・コールハースによると多かれ少なかれ景観には目標が設定されているはずなのにアメリカ・ヨーロッパ・アジアのそれぞれの都市にはほとんど違いがない、政治機構・経済機構・イデオロギーがそれぞれ違っているのに世界の各都市が似かよって見えるのは目に見える外的要因ではなく、みんながそのような姿を望んでいるからではないかといっている。
それを国内に置き換えると札幌・東京・大阪・広島・福岡そして京都までも市街地で差異を指摘するのはそう簡単ではない。高速移動手段でひとたびご当地に降り立つ限りにおいては何かしらの感動が伴う事はない。金沢においてもそれはなんら変わりない、愛する金沢を貶めるつもりはないが過大評価もできない。
コールハースの言うように確かに歴史や文化が違い景観も目標が設定されているのに違いがない。歩き廻ってみたり、俯瞰してみたりしているうちには違いは見えてくるのだけれど、「独特な町並み」にもどこか既視感はぬぐえない。町屋の格子の寸法やベンガラか白木かの違いを独自性と呼ぶには心もとない。
都市での同時代での生活スタイル自体がそんなに多様であるわけでなく、近代はもちろんのこと時代ごとでモデルとなったものに近づく事をみんなが望んだのだろうから、結果が画一的になるのは当然に思う。そもそも金沢の歴史的景観は町屋が画一的だから価値がある。都市の密度は上がっていくのに高密度な町家が戸建てスタイルに変わっていったのもみんなが等しくプライバシーを望んだ結果であるし、それを高密度と両立したのがマンションである。

現在にいったって町家再生が花盛りである。使えるものは使う事には大賛成、なんといってもオーバーホールされた町家自体がかっこいいし私自身も町家育ちで愛着がある。市の政策の後押しも強いけれども、やはりみんなが望む姿がそうさせているのだと思う。

が!行政の推進するまちなか周辺部では、「伝統環境保存区域」「伝統環境調和区域」などでは瓦屋根や壁の色など厳しい規制がかかっている。両地区とも「伝統」と付いてはいるが金沢の町家で瓦が葺かれだしたのは明治の後半で、それまではほとんど板葺き石置き屋根(今でも野町の広小路近くの森紙店一軒が現存する)。瓦自体が悪いのではないが「伝統」とつけることで歴史解釈に誤解を与えないのだろうか。沖縄の赤瓦も明治の後半以降のものなのだが私はてっきり琉球王朝時代の都市がみんな赤い屋根だと思い込んでいたし、建築家もそれをコンテクストとしてそれを読み込んでいた。きっと加賀百万石の都市は瓦葺だとみんなが誤解する…音楽堂のように。
いっそ「観光環境保存地区・観光環境調和区域」では…露骨なのか?観光で金沢が潤うのはみんなが望むことだとおもうが

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 金沢情報へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

水曜日, 6月 09, 2010

打ち水

昨年の夏、ヒートアイランド対策商品【ドライミスト】のデモンストレーションが「金沢駅おもてなしドーム」「片町のプレーゴ」「近江町市場の活性化広場」で行われていた。
【ドライミスト】とは、水を高圧で噴霧し気化熱で周辺温度を低下させるシステムです。
これは、昔はよく見られた「打ち水」の原理で、水が気化する時に周辺の空気から熱を奪う事を利用したシステムです。
商品PRではありませんが、六本木ヒルズや東京駅丸の内北口、新丸の内ビルディングなど関東方面で設置されているようです。
ミスト粒径も蒸発しやすく、濡れたような不快感を与えないような最適なサイズがあるようです。
ちょっと気になる事は、水道水を高圧ポンプで圧送している電源ですが、出来れば太陽光発電パネルなどを利用して供給できれば、もっとエコではないでしょうか?

このように、機械的空調設備に頼らないでも、自然の力を利用して快適な環境を作ることができる事を、私たちは考え直すべきなのでしょう。
先人の知恵を見直す事で、新しい発見があるのだと思う…。

「打ち水」にもう少し触れておくと、
水が蒸発する事で上昇気流が発生するので、その周辺が負圧となり気圧差によって風を呼び起こすのです。
金沢の町家のように、お隣どおし外壁がくっ付いていて、間口が狭く奥行きがある住宅でも、奥庭(セド)がある事で、玄関前に打ち水をすると、奥庭から玄関側に風を呼び起こす事ができる。
これは、現代の住宅にも取り入れられる考え方ですねぇ。

火曜日, 6月 08, 2010

古い街並みの表構え

金沢で最も情緒のある街並み、ひがし茶屋街。
国の重要伝統的建造群保存地区に選定されており、
とても雰囲気のある街並み。散歩コースにするのも
お勧めします。
で、ここで、
古い街並みを歩いて気づくと思いますが、格子が
ずらーっと並んでいます。

この間、格子の興味深い資料を見つけました。
格子は、防犯、通風、採光、遮断の機能をもち、
尚且つ、内部から外は良く見えるけど、
外部からは見えにくい。素晴らしいんです!
格子の形式は簡単に統一できないほど種類が多く
同一形式でも異なった名称が付くなど複雑なんだそうです。
格子の形式で何屋さんかわかるようになっており、
すごく簡単に言うと、
米屋さんだと、台格子の頑丈な荒格子構えで、色付けはしない。
酒屋さんだと米屋さんの格子に色付きです。
格子の豆知識おもしろいのでこれから紹介していこうと思います。

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 金沢情報へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

月曜日, 6月 07, 2010

エコ

古い照明器具を取り替えるコトで、効率が良くなり消費する電気エネルギーが
削減でき、省エネ化が実現できる・・・
    ↓
CO2削減につながる
    ↓
環境に良い☆

 
最近の蛍光灯の照明器具に関してはインバータ方式のものが多い。
このインバータのものとそうでないものとはかなり効率が違うので、
学校の照明器具が今注目されているらしい。

住宅に使用されているものはたいていインバータ方式だと思う。

ただキッチンの手元灯は違う場合が多い気が・・・。
ジーっと照明の明かりを見ているとちらちらとちょっとばらつきがでるのが
インバータでない照明器具と聞いた。

学校の消費される電気エネルギーの30~80%が照明らしい・・・
すごいっ\(◎o◎)/!

改善されればすごい省エネにつながるわけだ。

白熱灯は電球をLED電球に替えればすぐにエコ☆

家庭でも簡単にできるのはLED電球への取り替えかなぁ~。
でもまだまだ価格が高い。。。
そのうちお求め安くなるのかにゃぁ~。なんて待っていたら取り組めない私・・・。

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 金沢情報へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ

日曜日, 6月 06, 2010

環境月間

みなさん、環境月間、のってもらってどうも。
私が初めに言及するのは、“前提”について。
他の業界と同じく、私が生きる建設業界にも多大な影響を及ぼしている“省エネ”、“エコ”、“CO2”、“3R”などというキーワードの前提を?
それは“地球温暖化”とうい環境問題を前提としています。

地球温暖化については様々な文献、雑誌でかなり取り上げられていて、結構な専門的知識を学ぶことは容易な最近となりました。
そんな知識を2時間で簡単に得られる映画を一つ紹介します。
不都合な真実』という、アカデミー賞作品。
内容は、アメリカ合衆国大統領になれなかったアル・ゴア氏が行っている地球温暖化の講義を2時間、映画で聴く。という、なんだか、こういう風に表現すると恐ろしくつまらない作品に思えてしまう。
しかし、そこは案ずるなかれ、アカデミー賞受賞作品だから、やはり考えさせられるし、ゴア氏は言葉で生活している政治家だからやはり面白い!!エピローグなんてとくに笑ってしまった。
意匠も構造も設計者に必要な能力の一つは、プレゼンテーション力ですが、さすがに政治家のように上手くは出来ないなと感心させられてしまう。程。
もちろん、映画だから構成の仕方は、観た人の心を何とかつかむように、スケベーに構成している。

映画の中で、ゴア氏は、マーク・トウェインの言葉を借りて、
厄介なのは“常識” よく知られた名言の通りです。
“問題は無知ではない 知っているという思い込みだ”

と、発言している。

時代的背景を理由に、周りの設計者方も環境に対する技術や知識を学び始めています。
しかし、その行為が前提となっている“地球温暖化”へ、どういう影響をいくらの数値で及ぼすのかという事実を理解している人は少ないのではないかと、というか、ほぼいないのでは、と、思っています。つまり、“知っているという思い込み”の人ばかりではないか!?、と。

・大気中のCO2は過去と比べてどのくらい増加?
・CO2増加は具体的にどんな問題が?
・建設業の占めるCO2排出量は全体のうち何割?
・建設業で問題改善に取り組んでいる技術の効果は全体のうちどのくらい望める?
・こんな質問は当然、感覚的に知っている?

これは、私が“知っていると思い込み”、常識として過ごしていて、文献や雑誌のデータにギャフンと言わされた内容です。
Newton 2010.4号でも映画同等以上の知識が得られます。
にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 金沢情報へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ