先週は省エネの「前提」を挙げましたので、徐々に内容の規模を小さくしていきます。
その前に、前回の答えを具体的数値を抜きにして少しだけ、
CO2削減=エネルギー削減
つまり、不況になれば必然的にエネルギーの消費は減るのでCO2削減へ繋がる。
オイルショック以降、産業界のCO2排出量は省エネ設備導入や作業効率改善でかなりの省エネ化が進んでしまいました。故に、建設業の劇的なCO2削減を進めても全体の劇的な効果には繋がりません。
に、対して、家庭でのエネルギー消費量は年々増加中なので、この分野に対してはそれなりの効果は期待できる。
しかしながら、人間が放出しているCO2年間約80億トンというのは地球全体で見ると非常に微々たる量(ただし、自然界が吸収できる許容量を大きく超えているため問題が発生している)。
つまり、地球全体のCO2の循環は非常に大きなサイクルを持っている。今すぐ、CO2排出を止めたところで、CO2濃度が落ち着くのは1000~2000年という長~い年月が必要になる。
これだけ、書くと建設業で努力している技術や社会的意義は無いように思えますが、必ずやらなければならないことであることは追記しておきます。地球全体のCO2量、惑星の規模を考慮すると、行き着く姿は、人間が生存できなくなるどころか、表面温度460℃の究極に温暖化した金星と同じ状態である。
と、前置きして、
CO2削減=エネルギー削減
を考える上で重要なのは、エネルギー量を「一次エネルギー」で考えることです。
一次エネルギー・・・自然から直接得られるエネルギーで、石炭、石油、天然ガス、化石燃料、ウラン、水力、太陽光のこと。
それに対して、二次エネルギーは使用可能な形態にしたもので、電気、都市ガス、灯油等のこと。
一次エネルギーから二次エネルギーに変換させるときにはロスが生じる。このロスを考慮しなければ、wedさんが書いたように、思い違いが生じる。
二次エネルギーの「電気」について、一次エネルギー100%から換算すると、排熱ロス・変換ロス・送電ロスなどで63%が消え、活用されるエネルギーは残りの37%になる。
この効率が悪いことは理解いただけたと、
例えば、電気自動車に乗って電気スタンドで、電気を補充する行為は、思いのほかクリーンではない。
これに対して、天然ガスから都市ガスへの変換は非常に少ない。
例えば、水素ガス自動車が水素ガススタンドで、水素を補充する行為は、間違いなくエコ。
建築において、注意して頂きたいのは、つまり、「電気」を使用する省エネ設備機器の効率と、「ガス」を使用する省エネ設備機器の効率をパンフレットのまま単純に比較するのは間違いという事実。
効率ではなく、一次エネルギーの消費量で考えなければ正しくないのです。
詳しくは、建築技術2010.1号 参照
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