土曜日, 7月 03, 2010

Yo

長田直之さんの「Yo」。
せっかくなので、私も発言したい。
写真は、八さんの投稿をどうぞ。

地方にいて、中央の既成概念に触れられたのは、貴重な時間でした。

長田さんの発言で印象的な言葉が2、3あります。
「私に才能があって初めからこの空間をデザイン出来たのではなく、
スタディーの繰り返しでたどり着いた形」だと。
一つのキューブから切り取った断片の組合せの無数のスタディーにより生まれた空間構成。
八さん定める『アルゴリズムアーキ』。
意味を教えられると、アーキテクトの才能に欠ける小生の感銘も深かったです。

類似した手法の有名トコロを一つ紹介しますと、
ヨハン・ウッツォン 否、この場合は、ピーター・ライスの「シドニー」。

ウッツォンのコンペ案時は、今在るのよりもっと低ライズのシェルだった。
これを、あのオペラハウスにしたのは、ライス。

構造を担当したライスのシドニーが解決したのは、
ポエティックな稜線が主役の2次元的なフォルムとして考えるのをやめた時だった。
全てが同じ球体の一部を切り取って構成していったとき、それからはドラマティックに変化していった、と。
シェルが近くからも遠くからも3次元の物体に見える、今のオペラハウスになった。



あと、長田さんのやり方で引っかかったのは、
ルールというキーワード。
最初は、何の概念も建築には取り入れず、
設定したルールに沿って、概念を取り入れ、スタディーを繰り返していく。
もちろん、その過程に構造の概念も入っていく。

その考え方は、構造設計者にかなり精通するのではと。
雑誌で拝める、パッと観の非合理で複雑な構造形式も、
解説に目を通すと、力学のルールを決めて、複雑性を生み出している。
そして、解説を読んだ後は、「なんと、合理的な!!」。
恐らく、その構造設計者も長田さんと同じ、
「私に才能があって初めからこの空間をデザイン出来たのではなく、・・・」
と、発言するのでは!?

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