【金澤町家と京町家の違い】
先進的な町家のお手本となった京町家ですが、金沢の町家は独自の発展を遂げた。
その大きな要因は、「風土性の違い」によるものである。
静穏な盆地に建てられた「京町家」と 風雪厳しい北陸の地に建てられた「金澤町家」では、当然その風土に合った形で発展していった。
主な相違点は
■平面形式
京町家 :修景や通風のため、多種多様の外部空間(中庭)を住空間に導入している。
金澤町家:外部空間は裏庭のみで、雨雪でも生活できるように土間空間が内部化していった。
■天窓・煙出し
京町家 :平面的な形状のガラス入り天窓瓦・スライド式板戸
金澤町家:屋根面から突き出した形状の天窓(積雪対策)
■二階窓
京町家 :白漆喰の塗り込めムシコ窓
金澤町家:木格子窓(一般的)
※風雨の厳しい金沢では漆喰壁は不向きだった。
■格子
京町家 :紅殻塗りの千本格子
金澤町家:キモスコと呼ばれる白木格子(クサマキ)
※風雨の厳しい金沢では紅殻塗りは適材ではなかった。
このように、風雪厳しい風土に合った形で発展し、金沢独自の町家が完成していった。
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