いつも住宅は探すのに苦労する。案の定、国道を行き過ぎてユーターンして見つかった住宅は端正な黒い箱。前回の家は白い箱だった。吉村さんは外観にはしょうもない操作はしない。しょうもなくなくても、たぶんデザインのためのデザインはしない。そこは好感が持てる。
プランはL字型をして主空間と従空間がそのLの各辺に割り当てられて明快である。主空間は道路から遠い辺にありプライバシーを守っている。特筆すべきは建具の仕掛けが巧妙で引き戸を開け放てばワンルームにもなり個室の集合体にもなる。色のつかないリートフェルトのようだというと言いすぎか?
もう一つは2階の窓の腰の高さが1.3mくらいあったかと思う。これは密集する住宅地の中で個室の集まる2階のプライバシーを配慮したようだ。
インテリアは真っ白である。「また真っ白に作っちゃった」とおしゃっていたが多くの白いインテリアと違うのは「床まで白い」という事。畳まで白い(正確には薄いグレー)。これはこれでかなり勇気のいる事だと思う。外観と同じでしょうもない色使いでごまかさない。ディテールも出来るだけデザイナーの苦悩の痕跡が残らないように意図されているかのようにシンプルである。
こう書きながらその場でなぜ白にこだわるのか?を聞けばよかったと思いつつ自分なりに考える
・空間の骨格をピュアを表現するためか。
・建築家が提供しすぎない事が重要で住み手に雰囲気造りはゆだねるべきとの判断か。
・白が好きなだけか。
・ギャラリーのホワイトキューブを連想させる事が、ライフ・イズ・アートとのメッセージが埋め込まれているのか。
・広さを演出するためか。
・明るさを得るためか。
なるほど建築というのは見るもの・住むものが勝手に解釈を加えるものだと今更ながら気づいた。
吉村さんまたご案内お願いします。
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