水曜日, 7月 07, 2010

金澤町家-4

今回は町家の意匠装置についてです。

ご存じの方も多いと思いますが、町家には独特の意匠装置があります。

1.袖卯建(そでうだつ):
  町家建屋の両側の軒下ある袖壁の事です。
  機能については、
  ①防火説、②防風説、③防犯説、④構造説、⑤遮蔽説と様々であるが、
  意匠的に凝った仕様にしたりと、格付け的意味合いがあったのであろう。
  「ウダツが上がらない」の語源はここから来ていると言われている。

2.大戸(おおど):
  町家の出入口にある潜戸付きの板戸の事です。
  (幅1500㎜×高さ1900mm程度の大型戸)
  杢目の美しいケヤキの一枚板を使ったものもある。
  丁番には八双金物を使用した重厚なものもある。

3.蔀戸(しとみど):
  正面の店間の柱間にはめ込まれた板戸の事です。
  柱に掘り込んだ溝に上下二枚の板戸を入れ、雨・風を防いだ。
  店を開く時には、上半分は2階部分に釣上げ、下半分は取外した。
  用途によって、全面開放や半分開放とできる。

4.下り(さがり):
  1階庇下にある下り壁の事です。
  庇タルキを受ける出桁から小束を下げ、下端に横木を渡し小板を入れたもの。
  庇下の店先空間の保護機能を果たし、雨風や吹雪、日差しを遮った。
  下りの高さは、街路幅員と関係していて、
  幅員が大きいと、下り高さも大きくしていたそうです。
  ここで、豆知識ですが、
  下りは垂直に下がっておらず、下端が少し街路側に出るように傾斜しています。
  これは、遠目で全体を見たときに、垂直に見えるそうです。
  皆さんも、一度気をつけて見てみて下さい。

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