写真のテントを見て、
意匠の娘が、「joさん、これって大丈夫なんですか?」と、
私は、「見れば、危ないに決まっているだろ。」と、吐き捨てたくなったが、建築構造職に携わる者として余りにも芸がないので、この場を借りて少しだけ詳しく説明する。
構造を図1に示す。
構造は、テンセグリティーに似ていて、軸材には圧縮力のみ、張材(紐)には引張力のみが作用するという、カタカナを使えば少し格好良く聞こえてくる。
要は、木柱と紐のみで成立していて、支点、節点は全てピンという構造である。
この構造体の問題点は、紐の引張耐力と木柱の座屈耐力に対して、 柱脚支点の水平力に対する許容耐力が小さ過ぎる点である。
この場合の支点の水平耐力は、Ha = μ・N で、
ここで、 μ : 木柱と石床の摩擦係数, N : 軸力(鉛直方向力)である。
支点に作用する水平力 H が許容耐力 Ha を超えれば、柱脚はローラー支点となって、不安定構造物となる。
つまり、崩壊メカニズムが完成するので、倒壊である。
水平力が許容耐力を超えるには、人間が柱の足元を思いっきり蹴って、パンチングシアーに似た外乱を作用させるか、
もしくは、
最も現実的なのは、柱が傾くことである。
もしくは、
最も現実的なのは、柱が傾くことである。
柱が傾くと図2のように軸力 N は、水平方向成分と鉛直方向成分に分割される。柱の傾きθが大きい程、水平方向成分は大きくなり、鉛直方向成分は小さくなる。
つまり、作用する水平力 H は大きくなり、許容耐力 Ha は小さくなる。
具体的な外乱としては、テント部に強風を受けて柱が傾いて倒壊という。感覚的にも理解できるストーリーである。
ちょっとした、くだらない構造についても、少しだけ考える癖を付けると、吐き捨てられることはなくなるのでは、、、と。。。
意匠設計者は、面白い建築で構造担当を困らせたがるけれど、構造設計者からすれば、
「こんな、つまらないモノの為に考えられるか。」と、吐き捨てたくなる建築は多々あるはず。
面白い、いい建築には両者にセンスが必要。
どの業種もそうだろうけれど、一生、勉強。
具体的な外乱としては、テント部に強風を受けて柱が傾いて倒壊という。感覚的にも理解できるストーリーである。
ちょっとした、くだらない構造についても、少しだけ考える癖を付けると、吐き捨てられることはなくなるのでは、、、と。。。
意匠設計者は、面白い建築で構造担当を困らせたがるけれど、構造設計者からすれば、
「こんな、つまらないモノの為に考えられるか。」と、吐き捨てたくなる建築は多々あるはず。
面白い、いい建築には両者にセンスが必要。
どの業種もそうだろうけれど、一生、勉強。
大変。
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