能登半島地震・・・。皆さんまだ記憶に新しい出来事だと思います。
地震の後、住宅相談ボランティアで被害に遭われた家に伺った事があります。
そこで体験・実感した事をお話しようと思います。
その家は、入母屋瓦葺の伝統工法の母屋に、在来工法の付属屋が増築されていました。
伝統工法の母屋は、5~6寸程の柱に大きな梁が架けられた“田の字”型の田舎間住宅でした。
母屋の被害状況は、瓦が一部ずれて、内部の土壁は一部剥がれ落ちてはいましたが、甚大な被害はありませんでした。
伝統工法なので、柱は礎石の上に乗っているだけで、現代のようにコンクリート基礎などはなく、ましてや基礎と土台を金物で緊結していないので、上手く地震力を柱と礎石の間で吸収していました。
なので、柱と礎石が少しずれてはいましたが、構造的に問題はありませんでした。
これは、まさに現代で言うところの「免震構造」です。
増築された在来工法の付属屋は、母屋の柱にボルトで緊結されたが、地震によってポルトが引きちぎられ、非常に危険な状態でした。地震の凄さを思い知らされました。
そこを使っているのが、母屋を建てた元大工のお爺ちゃんとお婆ちゃんでした・・・・。(微妙)・・・
伝統工法と在来工法の違いは、
【伝統工法】・・・礎石の上に柱を立て、金物などを使わず、蟻継ぎやカマ継ぎなどの継手や仕口で組立て、柱間に貫を入れて木舞下地に土壁を塗り、耐力壁役割を持たしている工法。
【在来工法】・・・コンクリート基礎に土台・柱を金物で緊結し、フレームを筋かいや構造用合板等で固めて耐力壁としている工法。
※どちらの工法もメリット・デメリットがあると思うが、面を強固に固めた“在来工法”に対して、柳のように柔らかく固めた“伝統工法”は、しなやかに地震力を吸収している。
それを実感した一日でした。
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