月曜日, 1月 10, 2011

今年最初の依頼

昨晩から大雪。
20センチは積もったか。朝から雪かきで腰が痛い。


よく関東や関西の人に雪の金沢っていいねと言われます。
そうなんです雪景色の金沢って一面真っ白で古い町並みが静寂に包まれるようで…、と言ってはみるものの、やはり生活にはしんどい。
雪が積もるのは大抵夜間。朝布団から出るのもつらいくらい寒い。さらに出かけるために家の前の雪かきをしてから出掛けることになるのですが、これがまたきつい。
さらに街に出ると渋滞していて、事務所に車を入れるのにさらに雪かき。


しかし子供たちは大いにはしゃぎします。いったいいつから雪が面倒になたのかな~と雪遊びする子供を見てうらやましくなる。

その大雪のおかげで本年最初の設計を行うことに、同時にセルフビルドもすることに。
クライアントは子供たち。
ようするに雪かきでできた雪山を「かまくら」にせよ!との依頼である。
もう雪かきでくたくたなのだが、私を信用し依頼してきたクライアントに失礼かと思い直しスコップをにぎった。
おかげで子供は大喜び。
そうなんですよね~。
<依頼される=うれしい> → <つくる(考える)=たのしい> → <完成=喜ばれる。> → <笑顔がありがたい>
道中いろいろあるにせよこの過程がいつも楽しいからなにかを創っているんだろうな~。

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土曜日, 1月 08, 2011

金沢鎮座 尾山神社

新年です。
あけましておめでとうございます。

お正月と建築なにがあるかな~、お正月=初詣=神社といきますか。

金沢で一番初詣の参拝が多いのは尾山町の尾山神社。
これはけっこう変わっている。

神社の様式には大社造・大鳥造・住吉造・神明造・春日造・流れ造・八幡造・日吉造・権現造大きく分けてこの9つの様式があります。これを入口の向きで分けると屋根の妻側から入る「妻入り」、屋根の軒側から入る「平入り」の2つに分かれます。

尾山神社は本殿が流れ造、拝殿が権現造(相の間がないけど)。
参道正面からは権現造の特徴である千鳥破風・唐破風のついた大屋根が威風堂々という感じで圧巻。やっぱり加賀百万石の藩祖を祀る神社だけあって「立派」。
権現造風の神社は市内にはあんまり見かけない。数えたことはないけれど流れ造が多い気がするから余計に立派に感じる。


それでも大小はあっても他にも同じ形式の神社はあって、既視感はぬぐえません。

変わっているのはその神門。
3層構成のファサードの1層目は石の3連アーチその上に高覧が廻り銅版で縁取られたシック壁面にギヤマン(ステンドグラス)がはめられていて、屋根は方形というなんとも不思議な門です。およそ神社の門に見えません、中華街にありそうな雰囲気もあるし…、重要文化財なのだから「重要」なんでしょうが…。


明治・大正の木造の教会がなんとなく近いテイストかなとか思いますが、西洋の教会を日本の木造大工が作って、そこはやむを得ずというか…、という気もしますがこれは神社ですからね。

オランダ人建築家のホルトマンの設計とある。長崎のグラバー邸が日本で最初の木造洋館で1863年 完成ということだから、この神門が造られた1875年当時は流行の最先端だったのだろうと思われます。当時は多く学校や駅とか役所とかに「疑洋風建築」が多かったのは事実ですが「神社の神門」をオランダ人に設計させるとは、思い切った事をやるもんです。これも「派手好み」の加賀百万石の文化なのでしょうか?群青や朱壁の和室・九谷焼・加賀友禅…… 相通ずる?



ただ実を言うと、他県の建築関係者にはギョッとされる群青や朱壁の和室同様、この神門も幼いころから見ているので違和感がありません。
金沢育ちの他の建築家も一緒じゃないかと思うんですが、それが金沢の地域の建築家にとってどんな作用をしているんでしょうかね…。  本年もよろしくお願いいたします。


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月曜日, 12月 27, 2010

アートな餅つき

年末最後の行事は餅つき。



塩のアーティスト山本基さんが毎年やっている餅つきに誘われ子供と参加した。
雪がちらつきかなり寒い。



場所は金沢中央郵便局と玉川図書館の中間あたりにある真福院というお寺の境内、ここはNPO法人金沢アートグミが時々イベントを行っているお寺です。
境内というほど広くなく山門をくぐってお堂まで5歩ぐらいのこじんまりした場所で、30人くらいかな?アーティスト・学校の先生・近所の人たち・建築家・外人さん等々、普段体動かさない連中が、腰いてーとかいいながら杵を振り上げた。



餅を反すのは基さんが担当。ちょっと緊張した、世界の「山本基」の手を杵でぶったたいたら末代までアート界から恨まれるかも!







いまどきこんな道具どこで手に入れるのか?
蒸し器は自前だが臼と杵は農協さんで貸し出ししているそうである。これは知らなかった、そのことをもっとみんなが知ったら餅つきの光景が増えるかも。(JAさんもっとアピールしてください。)









さて、アーティスト達の餅つきである。どこかにアートがあるはずである。このままじゃただの酔っ払いの餅つきで終わってしまう。
一度目の臼が空き所在無げにしていたら、いつのまにか数人の若者が何かを取り囲んでカメラのシャッターを押している。何事かとその輪を覗くと退屈した子供が雪山とそこに冷やしてあった缶ビールでなにやら造っている。




う~ん、アートである。
大人はこんなことしない、なんで子供はそこにあるもので「何か」を勝手に自然に「表現」するんだろう。子供ってすごい。




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水曜日, 12月 22, 2010

スクランブルセキビルと表参道

クリスマスが近い。
テレビニュースで表参道のケヤキ並木のイルミネーションがよく映し出される。表参道へ行くと建築家のトップランナーの建築が一同に見られる。たった1km弱の間で世界的建築家の建物がこれだけひしめき合って建っている場所も珍しい。
青山通り側から、
隈研吾さんのONE表参道
リカルド・ボフィルさんのパラシオ
丹下健三さんのハナエ・モリビル
伊藤豊雄さんのTOD‘Sビル
鈴木エドワードさんの東京ユニオンチャーチ・
青木淳さんのルイ・ヴィトン
安藤忠雄さんの表参道ヒルズ
黒川紀章さんの日本看護協会ビル
MVRDVのジャイル
妹島和代さんのディオール
・・・少し枝道に入ると安藤さんのフォレストプラザ表参道・妹島さんのhhstyle・宮脇さんの東京ソワール表参道とちょっと思いつくだけでもこれだけある。
青山通りやみゆき通りまで含めると…書くのもめんどいが国連大・スパイラル・コレッツオーネ・フロムファースト・プラダetc.

商業施設がほとんどで各企業の日本でのブランディングの本拠地となっている。であるから超一流の建築家・デザイナーが起用されるのは当然か。
また見事に‘10年代’20年代‘30’40‘50’60年代と各年代生まれの建築家が揃っている。

で、ケヤキ並木を意識したもの、ヒューマンスケールを意識したもの、素材感を生かしたもの、旧街並みを意識したもの、すげー構造のもの等どれも素晴らしい。ぜひ見に行くことをお勧めします。

いろんな視点があると思うのですが、ここでは街との関係を見る。
上記のようにいろいろな手法があるが、街との関係=道路との関係としてみると、ほとんどのビルは歩道いっぱいからガラスの壁面が立ち上がっている。
そのなかにあって、丹下さんのモリハナエと黒川さんの日本看護協会は歩道に面して開いた広場を作っている。そこはやはり人のたまりができる場所となっている。
用途がそれぞれ違いクライアントの考え方も違うので一概に建築家の個性とは言い難いが、モリハナエや看護協会の設計手法には好感が持てる。
それともモダニズムの建築家たちとその後の建築家たちの使命感みたいなものも違いがあるのだろうか?

ここで金沢の繁華街にもどる。

クリスマスが近いので香林坊のイルミネーションも綺麗であるがそこではなく、片町一丁目のスクランブル。
ここに人が大勢たむろする。昼間は学生らしき人、夜はリーマンやOL、待ち合わせの人、呼び込みの人、時間つぶしの人。
この交差点の4つのカドでセキビルの前が圧倒的に人が多い。
これには建築的に理由がある、…とおもう。
4ヶ所ともアーケードがあるので半外部という意味では同じだが北国ビル・ヤマチクビル・アパビルの3つはどれも歩道ギリギリから壁面が立ち上がっている。
唯一セキビルだけが1階の一部を公開している。表参道のモリハナエと同じである。




そんなに大幅に広場があるわけでもない、狭い平面的くぼみが立体的にもくぼんでいるし、そこに2階への階段もそなわって小さな立体広場と化している。そしてファーストフード店の入り口というのもいいのかもしれない。
それがこのビルの営業にどう影響しているのかはわからないが、ビルの中に街の一部として仕掛けられた空間は30年以上きちんと機能しているように思う。

ほんの小さなことなのだけれど片町スクランブルでも建築が見える気がした。


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木曜日, 12月 09, 2010

本多の森ホール

先日金沢の本多の森ホールに行ってきた。旧名金沢厚生年金会館。他の厚生年金施設同様2008年に売りに出された当時はマンションになるとかいろいろ噂があったが今もホールとして使われている。香林坊から歩いて兼六園を通る道中、やっぱりここはホールでよかったなと思う。



設計は昨年亡くなった黒川紀章さん、本多の森は1977竣工。日本の近代建築の巨匠、では納まらず世界的建築家・都市計画家と言わなければならないと思います。メタボリズムの提唱者の一人。
なんか結構金沢では黒川さんに批判的な人が多い気がします、なんか言ってるほうが小さく見える事が多いような。よく聞くのは利休鼠色のタイルがどうのこうのと。

そこは置いておいて、ホールなんだから内部空間について見てみる事に…。

その少し前に富山のオーバードホールにも行ってきた。オーバードは1996年20年の開きがある。
どちらも多目的ホールなのでプロセニアム形式だけれども門型のきっちりしたものではなく客席の天井・壁と一体的なプロセになっているのは共通。
多目的ホールなので…、というのはホールの代表的なのは音楽ホールと演劇ホールで音楽ホールは大きな楽器みたいなもので舞台と客席がワンルーム、演劇ホールはオープン形式とプロセニアム形式があって舞台が客席に囲まれるものと、額縁で区切られる違いがある、地方のホールではクラシックもやれば演劇も歌舞伎も講演会もみんなそこでするので一つの形式には決められない…豆知識。

舞台形式が同じでも大きく違ったのは客席の作り方。
オーバードは5階バルコニーまである。舞台と客席の距離を近づける事がホールでは大事と昔劇場の設計ですっぱく言われた。2000人を出来るだけ舞台に近づけようとすると縦に積んで行く事になる。
対して、本多の森ホールは1800席の扇方ワンスロープの客席。元野球場の敷地なのでその形を活かしたとか。黒川さんらしいか?
上のセオリーで行けば当然客席の奥行きが深くよくないホールとなる。




が…、しかし、今回の率直な感想は巨大な扇方のワンルーム空間の迫力に軍配。
「客⇔演者」の関係では奥行きは短い方がいいに決まっている。
しかし「客たち⇔客たち」の関係が生まれやすいのはと考えれば一体感がオーバードとは格段に違う。
家でテレビ見ているんじゃないし、映画館でスクリーンを見ているのでもないのだからホールにも横の関係性もいるんだなと思いながら友人と帰りに焼き鳥を食べる…。



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木曜日, 10月 28, 2010

金沢駅もてなしドーム


駅に久しぶりに行った。いつもはこのドームを車の中から外観を見ているぐらいで、それほど興味が湧かずにいた。

中に入ると空間は大屋根の架かった広場に地下通路への大きな吹抜けがあるという中規模都市の駅前広場でよく見かける空間構成。
形や空間の質はどうあれ、スペースフレームの構造に圧倒される。




構造設計は構造計画プラス・ワンの金田勝徳さん。日本の構造家の先頭集団の一角。

スペースフレーム自体はいくつも見掛けているがここのすごさは、3次元に曲がりながら壁面までスペースフレームで出来ている架構の形とその素材がアルミであること。たぶん大々的なアルミのスペースフレームなんて日本初ではないかとおもう。

角度が違うワイヤーにテンションを掛けるためのアルミのリングが象徴的で、バスで駅に来た人、駅から町へ地下道を通って向かう人、私鉄からJRに乗り継ぐ人、これら様々な移動する人たちの交差する位置の上空にテンションリングが置かれ広場のハブ機能を建築の構造システムで暗示している。
ここでは建築の質も空間の意味付けも高度な構造が支配している。




この難しい構造を高い技術力で設計している構造計画プラスワンとは以前一緒に仕事をさせてもらっている。驚くべきことはこの最先端技術は20人くらいの会社で生み出されているということ。これはプラスワンに限らず日本のトップクラス(すなわち世界のトップクラス)の構造家の事務所はそれ以下の会社規模である。言ってみれば中小企業。
決して何百人、何千人の会社が日本の構造技術を生み出しているわけではない。大阪の町工場が最先端技術を持っているという事例以上に建築の技術は小さな組織で生み出されているかもしれない。
ドームの横の音楽堂だって、21世紀美術館だってそうである。当初は2~3人からスタートしています。

しつこいようですが、大組織・大資本・大学などの大きな力が技術を生み出しているのではありません、当然ながら高度なインテリジェンスを身につけたうえで夢と執念と絶え間ない努力とセンスが素晴しい構造を生み出しています。できないやらない人間にはどんな大組織・大資本がついたところで出来ません。



会社の規模は、質的・技術的・デザイン的な信用力と同義ではありません。


住宅市場でもハウスメーカーに頼るだけが道ではありません。建築家をよろしく。


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