土曜日, 5月 01, 2010

2010年日本建築学会賞

日経アーキテクチュア 2010.4-26号に2010年日本建築学会賞 決定の記事が載っていた。
作品賞は、
『洗足の連結住棟』 と 『岩見沢複合駅舎』

岩見沢複合駅舎は、2009年竣工で、最近の各雑誌にも多々取りあげられていたので、周知の人も多いはず。
列車のレールをリユースして、カーテンウォールの構造体に用いる試みをしていたことが印象的だった。

今回、言及したいのは『洗足の連結住棟』の方。




構造は、構造計画プラス・ワンの金田勝徳 氏。
日経の記事を引用させて頂くと、
“耐震壁と床板、鋼支柱だけで成り立つ構造とし、住戸の4周にはペアガラスをはめ込んだアルミサッシを配している。中庭を介して交差する視線は、可動式の建具で制御する。“

私が注目したのは、会長の発言→
“学会賞作品部会長の富永譲氏は、「非常に大胆な構造と生活像を示し、・・・・」”

このような構造は、もはや珍しくもなく、同じ発想の構造システムとして、金沢21世紀美術館なども身近に存在している。
有限要素法を用いた解析でなければ建てられないような建築が世に溢れている昨今に、このような力学的にシンプルで構造合理的な建築が「非常に大胆な構造・・・」と称されるのは、何か嬉しい。

この業界では、現在、信じてやっていることの答えは5年~10年先でないと、それが正しいのかどうかは解らない。しかも、信念を持ち続けるには、中々、過酷な労働環境。

妹島和世 『金沢21世紀美術館 他』 → プリツカー賞
金田勝徳 『洗足の連結住棟』 → 2010日本建築学会賞
小西泰孝 『神奈川工科大学KAIT工房』 → 2009日本建築学会賞,第3回日本構造デザイン賞

どうでしょう。
構造合理(表現)主義。
間違い、ではないのでは・・・。

[写真は全て、(株)構造計画プラス・ワン ホームページ より引用

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金曜日, 4月 30, 2010

木構造

建物の構造がどんな仕組で成り立っているか、ご存知ない方、いらっしゃいますか。
今日は、ポピュラーな構造方法、
木造(在来軸組工法) 
について、簡単にお話をさせていただきます。

柱と、胴差、桁、梁などの横架材からなる「軸組」に、筋かいを設け、鉛直方向(縦)を固め、
火打により水平方向(横)を固める、主に住宅に多く、広く一般的な工法です。

こんな感じになってます。













四隅の柱は軒桁まで伸びていて、通し柱(とおしばしら)と呼ばれます。
これは、建築基準法でそうしなければなりませんと決められていますが、
例外規定もあり、必ずしもそうではありません。

胴差(どうさし)は軸組(じくぐみ)を支え、桁(けた)は小屋組を支える部材です。
桁は梁間方向(妻側に平行)を妻桁(つまげた)、桁行方向(垂木と直行)を軒桁(のきげた)といいます。

さらに、束(つか)は、母屋(もや)や、棟木(むなぎ)を支えるための部材で、母屋、棟木の上に垂木(たるき)が乗っています。
これを小屋組(こやぐみ)といいます。

他にも、柱の間に間柱(まばしら)とか、床下には大引(おびき)や土台(どだい)、
根太(ねだ)などが基礎(きそ)の上に乗っています。


天井を抜き、この構造を見せる、開放的な吹き抜けを作ることも出来ます。
一般には、柱の間隔は一間(いっけん)=1,820mmとしますが、
梁のせい(高さ)を大きくすることや、柱の幅(太さ)を大きくすることで、
一間以上の長いスパンを確保することが出来ます。

階数ですが、建築基準法で、3階まで建てる事が出来ることになっています。

梁や柱の接合部は仕口(しぐち)と呼ばれ、オスとメスを接いでいます。 今ではプレカット工法(機械で接合部の形を整える工法)が多く、 現場でパズルのように組み立てていきます。コストダウンが図れますが、 伝統の大工技術が失われていく傾向にあります。


語ることは多いですが、木造について簡単に述べさせていただきました。

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木曜日, 4月 29, 2010

金沢の建築家1

谷口吉郎
「金沢で建築やら…」と名乗っているので地元の住宅や建築家などを順次ご紹介しながら自分の思いも書こうかとおもいます。

初回は「地元の建築家」というと恐れ多いですが金沢と建築を語る時、避けて通れない巨匠谷口吉郎さんから始めなければとおもいます。

金沢市の名誉市民第一号、文化勲章受章、金沢が誇る偉人です。谷口吉郎さんは九谷焼の窯元がご実家で、東京工業大学の教授であり建築家でもあります。旧制金沢二中出身ということは現在の金沢錦丘高校、なんと私の大先輩ということになります。
同時代の建築家としては、前川國男、吉村順三、坂倉準三、丹下健三、これら綺羅星のごとく輝く近代建築の巨匠の一角をなしています。
息子さんは今や世界的建築家 谷口吉生さんです。お弟子さんには清家清さんがいらっしゃいます。
代表作は藤村記念館、資生堂会館、帝国劇場、慶応義塾校舎、東京国立博物館東洋館等多数あり、どれも歴史に残る名作とされています。
金沢に現存する作品はスカイビル、繊維開館、商工会議所、金沢中央ビルディング、旧石川県庁舎新館、金沢歌劇座など多数にわたります。

インターナショナルスタイルが主流で建築が抽象化されていく時代に「風土美」や「意匠心」といった事を重視し日本の伝統と近代建築との融合を図りました。最も分かりやすい特徴は「縦」を強調したデザインであることです。
これは障子や格子組みの意匠を意識していた、特に故郷金沢の町屋の格子からきているなどと指摘されています。一方、ドイツの新古典主義の建築家シンケルに影響を受けていたとの事も「縦」を強調する事に繋がっているとも言われます。
この縦強調を多用したのは先に述べた近代建築の先駆者たちの中ではめずらしい部類だと思います。コルビジュエの提唱した「横長水平連続窓」という強いテキストがあったにせよ、各人モダ二ズムと「日本的なるもの」との関係に積極的に取り組んでいたにもかかわらずそうはならなかった事を考えると、谷口吉郎の建築は「木造の格子」よりも「古典主義的意味合い」の方が比較的強かったのではないでしょうか。独立柱においては他の作家は地表を開放するための柱という扱いですが、谷口吉郎の場合は正面性や記念性的に扱われている感じがします。
(どちらが優れているということではありません。)


近代金沢の街並みと谷口吉郎
そして金沢の近代の町並みです。金沢もご他聞にもれず表通りでは伝統をスタイルとしての近代建築に明け渡しています。そのこと自体は必然だとおもいます。あくまで私的な印象ですが、特異に見えるのはそれが「縦強調」が多いことです。

壁の場合は縦長の窓の連続、カーテンウオールの場合でも縦方立ての強調、構造体を見せる場合でも柱がちなどの手法が多いように感じます。

さらに独断的な推測ですが、当時の金沢の建築家は意識的・無意識に関わらず地元のスーパースターの作品を参照していたことでしょう。そこに「古典主義的縦」を「木格子的縦」に都合よく誤読した結果ではないのでしょうか。横よりも縦は安易に割ってもイケテルデザインに感じます。しかしそのことで細心が鈍る事が多々あるのでしょうか。それとも見栄っ張りの金沢人気質を柱強調することで表現したってことは……ないですよね。

歴史は繰り返されるのでしょうか。最近はキューブ形の住宅を市内でもよく目にします。現在の金沢で最も評価が高い21世紀美術館、設計者のSANAAの作品を金沢のデザイナーも参照していることでしょう、彼らのノンヒエラルキーの考え方をまたも誤読するのでしょうか。

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簾戸

「建具」について
皆さんが良くご存知の「建具」ですが、意外と知らないものがあります。

建具とは、建築物の開口部に設けられる開閉機能を持つ仕切りの事です。
主に壁(外壁・間仕切壁)の開口部に取り付けられて、扉や窓として用いられています。
それらの用途は、出入口・通風口・採光・遮音・防犯など多岐にわたり、それぞれ機能に合った様々なタイプの建具があります。
 フラッシュ戸、ガラス戸、襖、障子、ガラス障子、格子戸、板戸 … etc

今回は、現代版にアレンジした「簾戸(すど)」の納入事例をご紹介したいと思います。
年配の方はご存知だとは思いますが、ひと昔前はどこのお宅にもあった建具だと思います。
現代の住宅では、あまり見受けられなくなってしまいました…。

簾戸とは、簾(すだれ)をはめ込んだ建具の総称で、通風・採光機能を持った日本古来の建具です。
簾の材料は、葦(よし)・萩・ガマ穂などを使用しています。
ひと昔前、四季豊かな日本では、家屋の建具も季節にあった衣替えをしていました。
夏服として、襖などを風通しの良い簾戸に衣替えし、季節を迎える準備をして四季折々の季節を楽しんでいました。
冬の閉鎖された室内空間が、簾戸に変える事により、やわらかな光を呼び込み、開放的な空間に生まれ変わるのです。
その爽快な空間に身を置いてみないと、その醍醐味を味わえない。

納入事例は、リビングの木製引戸に取外し式の簾パネルを組み込んだ建具です。
冬場はガラス障子戸とし、夏場は簾戸に衣替えできるようにしてあります。
また、その簾戸と玄関扉が廊下を介して一直線に繋がっていて、その先の玄関ポーチには木製格子戸を配置されている。
天気の良い日には、格子戸を閉めて玄関扉を開けると、簾戸を通してやわらかな光と風がリビングに入り込んで来る。
格子戸には鍵を掛けられるので、防犯上の問題もなく快適に過ごせる。
日中は屋外の方が明るいので、外部から内部は見えにくく、反対に内部から外部は良く見えるので、玄関扉を開けっ放しでも安心感がある。                                    簾戸(夏服)

                         ガラス障子戸(冬服) 

昔の家屋には、建具ひとつとっても、四季豊かな日本にあった良いものがまだまだあります・・・。

 


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火曜日, 4月 27, 2010

マイ テーブル

引っ越しをした時に、家具職人の友人に頼んで作ってもらいました。

私 「狭いダイニングに丁度いいテーブル作って!70㎝角くらい。」
で、出来たテーブルです。

真ん中にはガラスが入り、簡単な格子の収納スペースが下段にある!!
ここまで手の込んだテーブルになるとは思っていなかったのでびっくりしました。
触りごこち最高です。木の質感は落ち着きますね。

友人のこだわりは角から丸に変わるテーブルの脚らしいですけど。
既製品がダメだとは思わないけど、やっぱり自然のもので、手作りはいいものです。
いくら触ってもいいものですね。



別の友人が、テーブルを見て、「マージャンの台に丁度いいがいや!!」
コラァー!!

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月曜日, 4月 26, 2010

住宅照明3

姉をの新築は水回りの照明器具すら購入時に設置されていなかったらしい・・・。
唯一浴室はユニットバスなのでついていたが、あと廊下にダウンライト。
それ以外はついていなかったようだ。

今日は洗面所の照明器具について★

姉は蛍光灯の電球タイプで電球周りに簡単なカバーがついた照明器具を設置していた。
蛍光灯の昼白色(白っぽい明かり)をチョイス☆

姉の家は洗面化粧台と洗濯機置き場が同じ洗面所にある。
最近の新築は1坪スペースに洗面化粧台と並べて洗濯機置き場がある場合が多いようだ。

洗濯機が同じ場所にある場合は蛍光灯昼白色の選択は正しいと考える。
洗濯物の汚れ落ちのチェックはやはり電球色や白熱灯(普通の電球)では
オレンジの明かりになるのでむつかし・・・。

ただ、洗面化粧台のみの場合で考えてみると、白熱灯もしくは蛍光灯電球色が良いかと。
最近の化粧台の照明は蛍光灯昼白色がついている。(白熱灯が2灯ついている場合もあるけど・・・)
化粧台の前に立って、鏡に映った顔を見たとき、正面から化粧台の昼白色によって照らされて
全体の空間からはオレンジの明かりに照らされると、血色や化粧ノリがわかりやすい。

逆に、先日ある建物の化粧室で、鏡の上にオレンジの明かりを、全体の空間に白っぽい明かりを。
理由は鏡に映った顔の表情を奇麗にみせ、化粧直しなどを早く切り上げさせるためだという。
なるほど★と思った。

話がとんでしまったが、結論として洗面所の照明器具は場合によってなので、なかなかコレとは
決めにくい。ただ、やはり使う人によって考えは異なるのかもしれない。
一番の決め所は電気をつけたり消したしが頻繁にあるのであれば、白熱灯を用いると良いだろう。

電気代の節約というと蛍光灯にしなきゃっ!! と思う人が多いかもしれないが蛍光灯は電気を
つけた時に電気を消費しているので、つけたりすぐに消したりする場合は節約できていないのかと。。。
白熱灯は電気をつけていた分だけ電気を消費するのでつけたり消したりする場合は白熱灯のほうが
蛍光灯より良かったりする。長時間つける場合はやはりワット数を見てもわかるが、
だいたい白熱灯60wに対して蛍光灯12wで同じくらいと言われているので、洗面所に限らす、
使い方重視して蛍光灯なのか白熱灯なのかを決めていったら良いのかと。。。

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