土曜日, 2月 26, 2011

グローバルスタンダードな群青・朱壁??

以前に金沢の和室の壁について先輩に揶揄されたと書きました。
そのとき声に出せなかった反論はこうです。
「リートフェルトだって同じ赤と青だし、ブルーアンドレッドチェアーは下品か?、モンドリアンなんか金沢の和室そのものじゃないか、なんで和室だとだめなんだ?」と心の中でブツブツ…。

どなたか偉い先生、モンドリアンやリートフェルトが加賀藩の和室を参照していたのだ!とか論じてくんないすかね?
ブルーノタウトタウトが桂離宮をみてディス・イズ・モダンと感激したように、モンドリアンも兼六園の成巽閣を見たらディス・イズ・ディステイルって言わないですかね(笑)。






    上左・リートフェルト 上中右・朱壁と群青 下・東京文化会館




そしてそのことに自信を持ったのは前川國男さんの代表作、上野の東京文化会館にはじめて行ったときです。それまで見ていた文化化会館の写真は全てモノクロでしたが天然色の本物はそれは華やかな内部空間でした。ホワイエの天井は群青いろ、壁も所によって朱色にペイントされています。
これを見たとき「それ見ろ、群青&朱色はグローバル・スタンダードじゃないか!」と、どっかで言いたいな~と、ずーっと思っていて…、

今言っちゃいましたね。

カンディンスキーが「熱い抽象」で、モンドリアンが「冷たい抽象」なら二条城黒書が「熱く」て、成巽閣書見の間が「冷たい抽象」か…。   うん、きっとモンドリアンやリートフェルトが見たら泣いたと思う(笑)。







               左・モンドリアン  右・金沢の色入洛壁




 たわごとです、……。




金曜日, 2月 25, 2011

耐震補強

ニュースを見ているとNZは日本と同じく地震が多い国。
そして、大地震の度に建物の耐震基準が強化されていくことも日本と同じ。
さらに、古い建物がなかなか補強されず多く残っているのも同じ。

以前、小松の建築士の方がおっしゃっていた言葉を思い出した。彼は新築物件は少なく耐震補強の設計を多く手掛けている。
新築を「作品」として作ることも大切だけれども。耐震補強設計は「設計事務所しかできない仕事である」から使命感を感じているおしゃっていた。それを笑顔で語っていた。

新築工事なら工務店・ハウスメーカーでもスイスイやるが、設計も工事も利益が薄く手間がかかり派手さがない「補強の設計」は設計事務所でなければ出来ないと誇らしげにおっしゃっていた。30代の若い設計士だけけれども、デザインデザインデザインデザインと言う若い設計者とは一線を隔している。
本人は「デザインがうまくないから」と謙遜していたが…。きっと言いたいことは違うのだろう。

水曜日, 2月 23, 2011

野町湯復活

金沢に野町駅とい駅があります、その駅前に野町湯という銭湯があります。
ここは前回書いた「西の茶屋街」から歩いて5分くらいです。ここは3年くらい前に営業をやめたのですが昨年再開してくれました。子供のころ親友としょっちゅう通った銭湯なので大変うれしいです。
自分の子供のころの行動範囲内にモザイク画があるような銭湯が5件はありましたが今は2件だけです。近くに都湯というのもよく行きましたが今はありません。


久しぶりに銭湯に行くと自分の体と精神がなまっているのがよくわかりました。それというのも湯船が熱くて入れないのです。大抵、薬湯と普通の湯の2つの湯船があるのですがどこでも決まって薬湯はぬるく普通の湯は熱いのですが、しょうがなく薬湯にとりあえず入ります。隣のおじさんと「ここの風呂こんな熱かったんけ?」「おいや、洗い場が寒いし熱ないとゆざめすれんて」と会話し、このままあがってしまうのも男がすたると意を決して大きい湯船に入りましたが1分もたずに、若いころこんな熱い湯に入っとったんか??と思いながら、ギブアップ。


さあ、建築です。子供のころはなんとも思わなかった風呂屋が宝の山に見えます。
入口の庇の軒天は竹を割って並べてあります、入口の戸は縦涌模様の型ガラス、窓ガラスは渦文様のガラスこの辺は水を使う商売だからか?窓枠にもくり型がついている、脱衣場の天井はモスグリーンの格天井で銀杏も取ってあります(風呂屋は寺院を模していると言う説はホンとか?)、脱衣棚は無垢の木製、錠前も真鍮か、なんといってもモザイクタイルがかっこい~、体重計や脱衣籠も昔のまんまです、福助と招き猫が対になって番台の上に鎮座しています。
幸い脱衣所にお客さんがいなかったので、番台のお母さんに写真を取る許可をもらうことができました。



上の看板は今で言うホームパージ、銭湯は情報交換の場であったことが思い出されます。
さいごはお決まりのコーヒー牛乳をいただいて、おばちゃん「あんやと」。

日曜日, 2月 20, 2011

戦場カメラマンの職能

先日ITビジネスプラザ武蔵でJIA(社団法人日本建築家協会)の石川地域会のフォーラムに行ってきました。
テーマは「建築家の職能」で参議院議員の岡田直樹さんが「政治家の職能」という基調講演をされて、山野市長も飛び入りで話をされた。
「建築家の職能」を問うとか、向上させるということはJIAの大切な目標のひとつで、政治家、弁護士、医師と比較して話が進みました。
弁護士、医師と建築家はよく比較されて、…というか建築家のほうが引き合いに出すことが多いですね。
岡田さんは政治家の年金制度も退職金制度もかわり、なんの保証もない極めて不安定な儲からない職業で、それでもやるのは志しかないと言う趣旨のこともおっしゃっていました。
そんなに金銭的に苦しいのも問題じゃないのかな?人の心配してられないような収入では奉仕もできないんじゃないですかね。頑張る人にはそれなりの見返りはあっていいと思いますが。

昨日たまたまNHKのディープピープルと言う番組を見ていたら、戦場カメラマン3人がそれぞれどんな思いで写真を撮っているかを話していました。
これ以上ないような危険を伴う職業でありながら、どうもなかなか金銭的には恵まれない職業らしいです。
渡航費をバイトで稼ぎ戦場へ行く…、儲からないのに、死ぬかもしれないのに。
ロバート・キャパは戦場カメラマンの本望は「失業」することだと言ったそうです。

高橋邦典さんは被写体の為になにかいいことが起こる写真を撮りたいといい、
渡辺陽一さんは紛争地域で一緒に生活しながらそこの生活感を伝えたいといい、
宮嶋茂樹さんはプロから見てすごい写真、みんなの記憶に残る写真をとりたいといいい、そしてなぜ撮るかと言えば「プロとして報酬を得るため」と言い切りました。

人のためになって、使命感があって、賞賛されたくて、お金がほしい。ということですね。

まっとうですよね、そのうちどれの比重が高いか低いかは個人差があって当然ですから、どの職業でも当てはまりますよね。
戦場カメラマンの話を聞いたほうが「職能」って解りやすかったし前向きになれました。きっと、進んで戦闘地域に行く彼らは他の職業なんかと比較なんかしてられないでしょうね。