木曜日, 9月 16, 2010

JIA U40 建築家セミナーinKANAZAWA

CAAKのレクチャーに引続きJIAの五十嵐淳さんの講演会&パネルディスカッションに行ってきた。
「新しい普遍性」「ローカルな必然性」というタイトル。
パネラーは平口泰夫御大、長村峰行さん、松田達さん。





前日にも話を聴いたが2日間を通してよく出てくるキーワードが「バッファー」=「緩衝帯」である。
環境の厳しい北海道で設計活動をしている氏にとって、自然環境から住環境をどうまもるかという事に重きが置かれるのは当然だとおもう。
必然と大きな開口部で外部とスカッと繋がっているなどという住宅ではなく、わりと一見閉鎖的な建物に見える。
五十嵐さんの住宅は従来のいわゆる「開口部」の機能を分解して考えるところに特徴があると思う。通常「窓」は「採光」「通風」「集熱」「眺望」など複数の機能を同時にもたされるのだが、「採光」はトップライトや断熱機能を持った半透明な壁などから拡散光に変換して光を取り入れる。「通風」は壁の一部が開け閉めできる仕掛けがされて存在が消されている。
思い切ってディレィトした「眺望」の変わりにプランニングや断面構成により視線が移り行きいろんなシーンが展開する仕掛けがなされている。

バッファーを深く掘り下げて考え、既存の考えで開口部を作る事を拒否したことで、今までにない新しい空間が出来上がっている。それは地域性を深く考えた帰結である。地域で設計活動をすることが全くプラスに働いて見える。


そのことについて、五十嵐さんの発言にシンパシーを感じた。


「各地でいろんな公演をするとどこへ行っても決まって、『わがまちには特徴がない。だから地域性を活かした住宅なぞ生まれない』とみんなに言われるが、特色はないと思えばないし、よく見ればいくらでもある、そんなこということ自体設計者としておかいいのではないか」と強く指摘していた。

まったくもってそのとおりだと思わされた。地域の建築家として生きながら、ローカルであることを嘆き、自ら蔑むようでは良い物はきっとできない。

黒い瓦・赤や青い壁・格子…、表面的な事だけ見ていても発見的な地域性なんかは見えてこないかもしれない。



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火曜日, 9月 14, 2010

佐々木睦朗さん講演会「SANAAとのコラボレーション」

佐々木睦朗さんのお話を聞きに行って来ました。



佐々木さんは日本を代表する構造家、21世紀美術館の構造設計者です。あの有名な仙台メディアテークの傾いた鉄パイプの束と薄い床の構造設計もされている。



プリッカー賞受賞記念としての催しで、主催は金沢市なのですが、なんと夜の7時から9時まで講演&夜の美術館見学。

こんな夜遅くに市役所が会議室や美術館を開放することが、なんかすごく改革された感じがする。そして美術館の中もたくさんの市役所の職員の方に丁寧に案内していただいた。すごくありがたい。

これも開かれた美術館の功績か?



おもだったSANAAの建築の構造設計は佐々木先生が担当されておりその全体の流れを説明された。



一言で言い表すならば「抽象的な構造表現」とおしゃっていた。構造なんて「具体的」以外には無いと思うのが普通の感覚。



とにかくスタディー、検討の数が半端ではない。意匠も構造も。意匠の模型の数がおびただしい、それ以上に構造の解析のパターンがすさまじい数がある。

通り一遍の事務所なら、意匠の設計が固まって、はいどうぞ、変更があっても少々の事。



本当に同時に進む感じでこれこそ、コラボレーションと呼べるものだと感じた。





SANAAの建築はシンプルに見える、しかしそのシンプルを実現するためにはすごい執念と検討とたくさんの超えるべき課題を克服していることがわかった。9m×9mのグリッドを25Cmの梁で支えるためにいろんなアイデアを駆使している。規模は違えど、前日の五十嵐さんの話とそこは共通している。



超えていくものは尋常ではない努力が必要である。



屋根のシェル構造はあっても、床のシェル構造はないがそれをSANAAとやった。結果、「居心地のいい

いつまでも居たくなる図書館ができた。」この言葉を構造家がいう所が素晴しい。



日本の技術力の素晴しさは「強い」とか「長持ち」とか「安全」とかそおいう事は当然のこととして超えて行き、「感性」に訴えられる「構造技術」というものがあることはすごいことだと思う。



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月曜日, 9月 13, 2010

バリアフリー

妊娠して思ったこと。

建物のちょっとした段差につまづきそうになる。

最近の建物はバリアフリーを意識して建てられているが、
昔の建物は・・・。今住んでいるアパートも段差がいたるところにある。

何不自由なく生活していた今までは、バリアフリーねぇ~と思っていただけで
使用する人のコトまで考えていたのかなぁ~。。。たぶん軽く思っていただけだ・・・。

階段の蹴上高さも少し高くなるとキツイ。
スロープでさえこれくらいならっと思っていても思ったよりつらい。

妊婦だけでなく、ご年配の方もこういう状況が日常茶飯事なんだなぁ~。

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日曜日, 9月 12, 2010

CAAKレクチャーシリーズVol.36

先の金曜日、寺町のCAAKレクチャーに行って来ました。

翌日のJIAの建築家セミナーのために金沢を訪れた五十嵐淳さんが特別前夜にミニレクチャーを行うという事だったので、臨場感あるCAAKで聞けるのはまた違うのかもしれないと思い出かけた。
なんと金沢の重鎮、平口先生もいらしゃる。

空港から直接会場に入るとのことで、あわただしくスタート。





House M という最新作品についての解説が話の中心、建築系ラジオの収録も同時に行われる。

現在の注目の若手建築家、さらに地方で活動している建築家、かなり興味深い。

五十嵐さんのHouse M は外壁に開口部がない、全てトップライトからの採光である。そして天井高が非常識に高い、それにはいろいろな理由があるのだが、なにしろ徹底し尽くすということが脅威的だ。それは注目度の高い建築家の多くに共通する事。

いろいろあっても、どこか中和するというか調停するというか「オトシドコロ」的なものを探しているのが多くの設計スタイルだと思うが、そうはしない。

考えるにあたり目標というかマニフェスト的なものは掲げないで「自分なりの違和感」を消していく作業を繰り返す、とのこと。
ということは、普通はコンセプト的なことから徐々に純粋性が失われて完成に至るのだが、多分やればやるほど純度が上がっていくのが五十嵐さんのやり方なのだと気づく、するとあのようなピュアに感じる空間が出来上がるのも理解ができる。
めっぽう複雑に綿密に考える事は全てピュアな、或いはシンプルな物を作るためにつながっている。

そしてその進め方は、「建築設計が職業みたくなるのを避けるため」ともおっしゃっていた。……強い!!

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