土曜日, 5月 22, 2010

構造新時代

なにやら、結局、前回の時代変化に対する思考で頭が支配されてしまった。
と、いうことで、

まー、「構造新時代」と題、打ってしまいましたが、いつの時代も次の時代を創っていく世代の人がいて、常に新時代であることに変わりないのだと思います。
そんな今の新時代を個人的に表現させてもらうと、「構造格差時代」。
偽装事件から発展して今に至り、そして、しばらく、というか、これから続いていく、というか、これから始まったばかりの時代。今は構造格差時代の初期だと思う。
法律が示す方向は、誰がやっても同じ解答。
なにやら、聞こえがいいような!?
現実の内容は、限りなく構造設計の自由度をなくすことにつながり、つまり、一貫計算ソフトに乗るように設計計画を行うこと。
構造設計者の技量は、ソフトの技量に等しい。ソフトの開発、バージョンアップが、構造設計者の技量向上につながる。
意匠設計に自由度はない。

方や、雑誌で眺めるような建築は、むしろそんな現状はお構いなしといわんばかに自由度の高い建築ばかり、というか、そんなのしかない。

後者に対する前者の言い訳は、お決まりのように「設計コスト」、「設計工期」、「人員」。
その文言は間違いではないけれど、現実、核心ではない事実がある。
格差が生まれる問題の核心は、構造設計者自身にあると思う。

耐震壁と床板、鋼支柱だけで成り立つ構造
水平力と鉛直力を負担する材を分けた平板のみで構成される構造
壁一枚で横力はおろか鉛直力からも解放したような構造
スレンダーな構造
自由な形態

そういう雑誌や文献に載る構造システムの解説は、決まって、恐ろしいほどあっさりと言いのけている。
理解できないというより、受け入れ難い感覚を覚える。
現に、そういうモノに対して批判的な構造設計者もいる。
しかし、その批判という意味を成さない行為は、時代を見えなくしているように思う。
何も信じない人間には、もう時代を見ることは出来ない。
仮に、それが否定という行為なら話は別。
何故なら、否定には根拠が必要で、この場合、その根拠は実績ということになる。
しかし、自由度のない一貫ソフトに依存する構造設計者が、応答解析やFEM解析などの構造自由度が一気に広がった世界に放り出されたときに成せる行為は範疇と思うのは私が間違い!?

前者が常識な日常の地方。
後者が常識的事象として扱われる中央。
今は、この格差が広がっていく時代の初期であるとみえるのは私の見当違い!?



大それた表現をさせて頂くと、哲学にも近いこのシリーズは、新しい知識を得る度にちょくちょく頭を支配して、ちょくちょく続いていくような気がします。
八百五福さんも、その内、このシリーズ、始めてくれないですか!?
そっちのは、結構、面白い哲学をみれそうな期待があります。

このシリーズの結語が核心になるかは判らないですけど、意義のあるものになればいい。

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木曜日, 5月 20, 2010

金沢の建築家4



吉島衛

前回の平口氏、今回の吉島氏そして松島氏を加え3人を「金沢アトリエ派三銃士」と勝手に呼んでいます。

今回はそのうちの一人、吉島衛さんについて。
細いたれ目が人柄を表しているようです。とても紳士な方です。建築家はおしなべてエネルギッシュですが、力が抜けた雰囲気が漂います。手書きのスケッチがなんとも「味」があります。車が大好きなのに運転はあんまり好きじゃないらしいです。






20代は船越徹先生のアルコムで修行されました。「建築計画」の本流のような事務所だと言えるとおもいます。公共的施設を「制度側」からではなく「利用者側」から考えるという事を実践したパイオニア的事務所の一つです。「作家性」が強いその世代の建築家にあって、ある意味正当な系譜をたどってきた金沢で数少ない常識派ではないでしょうか。





だからなのでしょうか、よく口にされる言葉が「施主との価値観の共有」です。
これは当たり前のようですが施主の欲求実現にメーカーであれば「仕様」が、建築家であれば「創りたい欲望」が介在します、そこで大なり小なり施主に不満が発生します。これは他者に作ることを委ねる以上避けられません。しかし「価値観を共有」する、即ちクライアントと同化することができれば理論的にそんな事態は起こらないはずです。
個人住宅であっても「町並みへの参加」ということも常に意識しているのも「公共」の建築を考えるアルコムのDNAなのでしょうか。


もう一つの口癖は「上質で洗練されている事」です。「高級」とは違うようです。作品はローコストから大邸宅までありますが、「上質」を感じます。その訳を考えると、工夫されたプランではありますが「明快」で必要以上に複雑なプランではありません、非常に整理されています、視線の通り方や軸線を設定する手法などが住宅でも用いられています。デザイン的にも立体・面・線という事が非常に意識されこれも整理されデザインの格闘の痕跡は隠されていることに「洗練」を感じます。床の抜けたフィアットが一時期愛車でしたが「級」より「質」を重んじる吉島氏らしい伝説です。

私が最も敬服するのは相手を認めるということです。長くお付き合いさせていただいていますが「上から目線」を感じたことはありません。下の世代の建築家の意見にも対等に聞き入れます。良いものは良いと認めて、取り入れるべきは取り入れます。ただし「手を抜かれた建築」には短く厳しい言葉がぶつけられます。

「理論武装された醜悪な前衛より上質で端正な保守を選ぶ」という道もあるべきだと思わされる建築家です。

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環境

以前にメンバーから、6月は「環境」をテーマにという書き込みがあったので、それに乗っかってみよう思う。
一言で「環境問題」といっても色々あり、問題は山積みである。

 大気汚染:地球温暖化問題、オゾン層破壊etc
 海洋汚染:水質汚濁、酸性雨 etc
 土壌汚染:ダイオキシン、廃棄物問題、環境ホルモンetc

とりわけ我々建築業界の課せられている責任は重い。
ただ「環境問題」は非常に複雑で、簡単には解決できないかもしれないが、今を生きる我々が抜本的に意識を変えていかないといけないと思う。

続きは来週以降に・・・。

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火曜日, 5月 18, 2010

みんなのいえ


私の大好きな映画「みんなのいえ」
もう、7・8回は見てます。

脚本・監督三谷幸喜
若夫婦が家を建てることになり、
施工する妻の父、大工の棟梁「田中邦衛」と
設計をする妻の友人、インテリアデザイナー「唐沢寿明」
とのやり合いがおもしろい。

昔からのやり方にこだわる棟梁と、欧米のデザインにこだわる設計士
のバトルが子供っぽくて笑えて、間に挟まれる施主の立場も笑える。
玄関の戸が内開きか外開きか、
大黒柱はないのか・・などなど
いろいろもめながらも、携わる人みんなが家を愛し、
家の完成をみんなが喜ぶ。
                            
これ以上話すと悪いので。
おすすめ映画です。
それと田中邦衛の演技が最高です。

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月曜日, 5月 17, 2010

住宅照明6

個人的に照明が好きなので照明について紹介してきましたが、
いよいよ終盤へ。。。

今日はトイレについて。

トイレは基本的に電気をつけたり、消したりするので白熱灯(普通の電球)で
OKですが、省エネのために、センサー(人感、熱感など)付きの照明器具にする方もいる。

熱感センサーは基本やめたほうがよい。日中も真っ暗で電気を必ず付けなければならないなら
熱感センサーもありですが、暗くなったら付ける程度のトイレなら人感センサーにするべきだ。

住宅ではないけど、うちの会社のトイレは熱感センサーで、しかも換気扇まで連動タイプである。
昼間は照明をしなくても明るいので、センサーをわざわざ切っている。。。ただぁ・・・換気扇まで
切れっぱなしなので匂いがこもる。。。

これも住宅ではないが、金沢市内の飲食店に行った時、トイレの照明で間違えちゃったなぁ~
と思ったのが、省エネのためと思ってきっと蛍光灯にしたんだと思うけど、人感センサー付きで、
入ったら照明がついたと思ったはいいけど、暗い・・・。退室するときにあぁ~明るくなってきたなぁ、
と思うほど。

蛍光灯はもともと蛍光灯の照明器具であれば早いうちに100%の明るさで点灯するが、
そうでない場合、100%の明るさになるには時間がかかる。。

トイレは蛍光灯照明センサー付きはなしだと思う。

おしゃれな居酒屋さんでトイレの正面の壁に東芝のシルバーボールのような電球が2つほど
付いていた。電球のみで間接照明的なものがつくれる。素敵だなぁと思った。

お気に入りの照明(電球かな)です。

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