日曜日, 1月 23, 2011

ガラパゴス建築?擬洋風

尾山神社の紳門の回で「擬洋風」の建物と書きましたが、結構金沢の市井の建物にも擬洋風と言える物があります。犀川の周辺をちょっと歩いただけで6つも見かけました。


明治のころ日本の近代化に伴ってヨーロッパの建築様式が導入され外国人建築家を招いて建設されたり、その教育を受けた日本人建築家(辰野金吾や伊藤忠太等)が設計して様式建築が増えていったのですが、それを真似て大工たちが洋風っぽい建物を建てていきました。建築家の設計の洋式建築とは区別されてそれらを「疑洋風建築」といいます。
昨日まで和風住宅を作っていたのだからやっぱり「擬」な洋風にっています、たぶんオーダーなんてあんまり意識されてないのではないでしょうし、明らかに和風なエレメントと無造作に合体したりしています。日本のガラパゴス建築とでもいいますか、ちょっとほかの国ではない建物なんじゃないでしょうか。当時の周りの反応はどうだっのでしょう?先端のイケてる家と捉えられたのか、おかしなものに見られたのか?全国には文化財となっている「疑洋風建築」もずいぶんあります。

下の写真が私のおススメです。金沢らしいと無理やり言えそうで、町屋の並びにビルトインされた「疑洋風町屋」とでもいうものが面白いです。間口やファサードの分割の構成は隣の町屋に近く、1階だけが「疑洋風」。




写真は当然明治のものではないですが、テレビなんかで見る着物姿にハンチング帽子の粋な旦那とイメージがダブって、なんか微笑ましくないですか?