あけましておめでとうございます。
お正月と建築なにがあるかな~、お正月=初詣=神社といきますか。
金沢で一番初詣の参拝が多いのは尾山町の尾山神社。
これはけっこう変わっている。
神社の様式には大社造・大鳥造・住吉造・神明造・春日造・流れ造・八幡造・日吉造・権現造大きく分けてこの9つの様式があります。これを入口の向きで分けると屋根の妻側から入る「妻入り」、屋根の軒側から入る「平入り」の2つに分かれます。
尾山神社は本殿が流れ造、拝殿が権現造(相の間がないけど)。
参道正面からは権現造の特徴である千鳥破風・唐破風のついた大屋根が威風堂々という感じで圧巻。やっぱり加賀百万石の藩祖を祀る神社だけあって「立派」。
権現造風の神社は市内にはあんまり見かけない。数えたことはないけれど流れ造が多い気がするから余計に立派に感じる。
それでも大小はあっても他にも同じ形式の神社はあって、既視感はぬぐえません。
変わっているのはその神門。
3層構成のファサードの1層目は石の3連アーチその上に高覧が廻り銅版で縁取られたシック壁面にギヤマン(ステンドグラス)がはめられていて、屋根は方形というなんとも不思議な門です。およそ神社の門に見えません、中華街にありそうな雰囲気もあるし…、重要文化財なのだから「重要」なんでしょうが…。
明治・大正の木造の教会がなんとなく近いテイストかなとか思いますが、西洋の教会を日本の木造大工が作って、そこはやむを得ずというか…、という気もしますがこれは神社ですからね。
オランダ人建築家のホルトマンの設計とある。長崎のグラバー邸が日本で最初の木造洋館で1863年 完成ということだから、この神門が造られた1875年当時は流行の最先端だったのだろうと思われます。当時は多く学校や駅とか役所とかに「疑洋風建築」が多かったのは事実ですが「神社の神門」をオランダ人に設計させるとは、思い切った事をやるもんです。これも「派手好み」の加賀百万石の文化なのでしょうか?群青や朱壁の和室・九谷焼・加賀友禅…… 相通ずる?
ただ実を言うと、他県の建築関係者にはギョッとされる群青や朱壁の和室同様、この神門も幼いころから見ているので違和感がありません。
金沢育ちの他の建築家も一緒じゃないかと思うんですが、それが金沢の地域の建築家にとってどんな作用をしているんでしょうかね…。 本年もよろしくお願いいたします。
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