火曜日, 9月 21, 2010

金沢の建築家9

toit-design 戸井 建一郎

西泉のメガドンキーの東を西金沢駅の方に向かって走っていると、ちょっとカッコいいキューブがいつの間にかそこに置かれていた。
なにか気になる建物だな~と、いつも気になっていたのだが、信号待ちで丁度その前で止まった時、大きなスクエアな窓から無数の白い模型が見える。そして数人が模型を囲んで会議をしているような雰囲気。
それが建築家「戸井建一郎」率いるトイットデザインの新オフィスだった。

「率いる」と書いたが、多分私が知る限り金沢で建築系デザイン集団と呼べる唯一の存在が「トイットデザイン」ではないかとおもう。
いままで紹介してきた金沢の建築家・アトリエは建築家が一人ないしは弟子含め2人くらいでやっていて、アウトプットされるものには良し悪しは別にして恣意性が強くならざるを得ない。
「○山×男建築設計事務所」などという社名にそのことが表出しているともいえる。




よく言われる事であるが、優秀な建築家の事務所からは優秀な弟子が巣立つ。戸井さん自信も建築家・鈴木エドワードさんの弟子である。
しかし金沢では既存の建築系アトリエから若い才能が育ったとはあまりきかない。もしかするとトイットデザインがその先駆けとなるのかもしれない。

なぜ優秀な建築家の事務所から優秀な建築家が次々輩出されるかといえば、それは議論の場が多いからだと私は感じる。一個のプロジェクトに数人が意見をぶつけ合い、デザインがブラッシュアップされていく過程を自分もいくつも経験している。個性的な建築家であろうとも一人の発想では限界があり、やはり集団の力というものはあなどれない。

信号待ちで見た光景からそんなことを思いながらトイットの作品を参照してみるとやはりブラッシュアップされたモダンな空間が気持ちよさそうである。あまり特異な形態に凝るわけでもなく、周りの環境にフィットするように素直にプランニングされた平面に、無駄をそぎ落としたデザインが立ち上がる。そのストイックさは、個人の形への欲望を抑制するシステムが自然によい方向に効いているのではないだろうか。

金沢の建築家2で書いたように、並居る団塊周辺世代の建築家に割って入って建築賞を受賞した、わずか2人のアラ40建築家の一角であることがそのシステムを言い当てているのかもしれない。



http://www.toitdesign.com/






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