木曜日, 5月 13, 2010

まるびぃ・・・景観

前回、まるびぃ(21世紀美術館)について、歴史的な町並みが残る金沢の中心市街地に、全面ガラス張の円形ファサード+ホワイトキューブ群を挿入する事は、勇気がいる事だと書きました。
そのように感じるのは、金沢の歴史的な町並みが原風景として我々の心に刻み込まれており、ある種の固定観念に縛られているからであろう。
しかし、21世紀美術館は成功か?失敗か?と問われれば、大半の人は成功だと答えるであろう。
21世紀美術館の魅力は、歴史的な町並みの中に公園の一部のように存在し、自由に通り抜けられる回遊性にあり、権威的でなく優しい存在感にあるのだと思う。
現代美術館であるから成立したポジションなのかもしれないが、歴史的な町並みと対照的な存在感は、金沢の活性剤になった事は間違いない。

金沢市は、平成21年10月より景観法を活用した新たな景観条例を制定した。
まちなか周辺部では、「伝統環境保存区域」「伝統環境調和区域」「近代的都市景観創出区域」の3つの区域に分けられ、それぞれをさらに細分化し規定している。(かなり厳しい…)
私個人的には、金沢の伝統的な建物は大好きで、間口の広い立派な町家は、下手な建物より全然カッコいいと思う。
まちなかを歩いてみると、結構立派な町家を見つける事ができる。
これは、戦災にあっていない金沢の大事な財産であり、我々が残していかなければいけないものであると思う。

景観条例とは難しいもので、個人所有の建物でありながら、景観法という観点から制約を受けることになる。
大きな建物であればあるほど、景観への影響力は大きい。

ここで話は21世紀美術館へもどる…。
21世紀美術館は、新景観条例のもとでは許可になったのであろうか?
敷地は「伝統環境保存区域」に位置するが、今後あのような建物が建てられるであろうか?
新景観条例を非難するつもりではないが、細かく規定すればするほど文章が一人歩きし、本質が忘れ去られる危険性があるのではないかと思うのは、私だけでしょうか?
物質には、色彩があり素材のもつテクスチュアがある。
推奨色の規定に、金沢の伝統的な街並みとして「地」となる色彩は木色(もくじき)とあるが、○○調サイディング等で覆われるのは止めてほしい。
伝統的素材を現代的素材に変換しても、素材感が良ければ成立すると思うのだが…。
皆さんは、どう思われますか?
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