日曜日, 7月 10, 2011

山本基さんの個展

山本基さんの個展が箱根彫刻の森美術館で開かれます。



以下、山本さんの案内文です。



暑中お見舞い申し上げます。私の住む金沢でも梅雨が明け、ギラギラと強い日差しが照り付けています。さて、このたび箱根彫刻の森美術館でこれまでで最大規模の個展を開催致します。今回は、総重量7トンの塩を用いた3つの新作インスタレーションと、写真作品を展示予定です。この美術館の広大な敷地には野外彫刻も多数ありますので、森林浴も兼ねて是非お立ち寄りください。なお、会期前の13日間(7月16日~28日)は公開制作です。

山本基個展 しろきもりへ -現世の杜・常世の杜-

会期;2011年7月30日(土)~ 2012年3月11日(日)
会場:箱根彫刻の森美術館



http://www.hakone-oam.or.jp/詳細はチラシをご覧くださいhttp://www.motoi.biz/japanese/j_news/j_2006/hakone/chirashi_omote_200.jpg


http://www.motoi.biz/japanese/j_news/j_2006/hakone/chirashi_ura_200.jpg


開館時間:9:00 - 17:00(会期中無休)
■入館料:大人1600円 / シニア(65歳以上)1100円 / 大・高校生1100円 /中・小学生800円※毎週土曜日はファミリー優待日(保護者1名につき小・中学生5名まで無料)


■公開制作:会期前の13日間 7月16日(土)~28日(木)


■アーティストトーク:13:30 - 14:30 会場にて7月30日(土)、11月19日(土)、2012年3月10日(土)


■海に還る・プロジェクト:2012年3月11日(日) 15:00~作家と来館者で塩の作品の撤去を行い、そのときに集めた塩を後日、海に還していただくプロジェクトです。ぜひご参加ください。

金曜日, 7月 01, 2011

金沢の建築家11

建築家北川美菜子さんのオープンハウスに行ってきました。



北川さんは東京で設計事務所をされているそうですが、金沢出身の女性で20代。

ここ最近住宅を見せてもらった建築家で最年少です。

例によって住宅は場所を探すのに苦労します。

周囲を2周ほどして到着。現場に行くとすぐにこれが建築家の家とすぐ判ります。
それは奇抜だからではなく、廻りの建物があまりにも紋切り型で高度成長時の悪しきスタイルが多いからかなと思います。
一昨日もある講演会で金沢はこれから産業ではなく文化で生きていかなければならない、そのためにも個々が文化を意識していく必要があると大学の先生がおっしっていました。金沢の時代々々で後世に残った文化があるけれど、我々の時代は何も残せなかったと言うのは金沢で暮らし、文化の恩恵を受けている者としてどうかとおっしゃる。要するに「お前らいいもの作れ」との事。


で、その家は「建築好き」なんだなーと感じる住宅です。20代・女性・建築家と言う勝手に抱いていたイメージが物の見事に裏切られます。四角いブランに方行屋根+モダンな腰屋根と言う建物です。
パッと見新しい挑戦がなされた物には見えませんが、好感ある既視感という感じです。なんだか始原的な雰囲気さえ感じるファサードです。ちかもり遺跡や御経塚遺跡が近くにあるからなんか関係あんのかな~というのは考えすぎか。




内部を拝見させて頂くと正方形の田の字ブランで廊下がなく、家の中をぐるりと一周できます。古い民家によく見られるプランです。

ここまで書くと復古主義か?というと否です。
この家の面白い・新しいところは正方形の4辺に沿って一周すると目に入るコーナーに柱が無くてガラスで開放されているところです。見学中も家主さんや見学者は自然と角に佇んでいます。
大屋根の下の一体空間という趣が頂部のトップライトで示されて、角を開ける事で緩く4ヶ所の領域ができています。

柱を立てる事で場所を示すのではなく、消す事で場所を示めせる事がわかります。
角に柱がないということは構造的にも工夫されているはずなのですがさりげないです。



既視感がありながも、コンセプチャルでいて、でもそれに凄みを持たせない…、というところがこの家の好感度が高いところでしょうか。


水曜日, 6月 08, 2011

ラモーダ

先日、香林坊のラモーダを見る機会に恵まれました。
設計は日本設計。日本のエリート設計組織。

北国新聞の赤羽ホールと同じ設計者 浅石さん。


ファサードのデザインは金沢→和風→黒ということで、市松模様と黒ということらしいです。
谷口吉郎さんが昔、近代建築+和風=障子モチーフとしていましたね。
道路にぎりぎりに垂直に立ち上がるビルばかりの中に裏に抜けるようにエレバーターホールを街に開放していて好感が持てます。アーケードは強化ガラスでできていて、透明感を出来るだけ損なわないように鉄骨もスレンダーです。
ファサードの平面的ずれと立体的ずれがどのような内部空間を作っているのか、外から見るイメージは何かレイヤードされた内部空間を勝手に想像していましたが、それは勝手な想像でいたってシンプルな内部空間です。
この建物のかっこよさを支えているのはディテールの素晴らしさもあるのでしょう、全てに目が行き届いている感じがします。
金沢→和風という解釈はどうでも、目を惹くデザインで香林坊が一気にかっこよくなりました。


1階にはジャーナルスタンダードとBEAMSが入るそうです。新聞によると、ビームスが進出するとその街の価値が上がるとか。
そんな影響力あるのか…。

メジャーなセレクトショップとエリート設計集団で金沢の街が良くなる事はいい事だけれど、地元ショップ+地元建築家ではどうだ!
街医者と大学病院、個人弁護士とローファーム、困った時にはどちらを選ぶか?

火曜日, 6月 07, 2011

金沢海みらい図書館

震災後、なぜだか呑気に建築探訪っていうのもどうかと更新できずにいます。
でも新しい建物ができると見たい衝動に駆られます。

ということで、金沢市の未来図書館に行ってきました。
設計はシーラカンス、プロポーザルで選定された建物で白いキューブに無数の孔が開いている外観が何か新しい空間を予感させます。
まさかこの孔が「海」つながりで船の窓とかじゃないよな~、などとベタな事を考えて中に入ります。
プランは2層吹抜けの書架スペースに面して2層の閲覧スペースが面しているというシンプルなもので、わりと見掛ける空間構成で安心した感じです。
内部空間にはあまりヒエラルキーがなく造られています。
外部空間との連続性とか、居住性とか、スペースの分節とかが図書館建築にとって重要な時代がこのあいだまであったように思いますが、それらに重きを置いているようではありません。
壁面に書架を設けていないからなのか「本に浸っている」という今までの図書館での体験とも違います。
無数の規則正しい丸い小さな窓の効果もあってか、データーの集積装置といった印象です。どこに何の情報があるか全体が見渡しやすくて把握しやすいです。小人になってICチップに入り込んだようでもあります。

図書館というのは、大勢集まっているのだけれどお互いにコミュニケーションはなく、それなのに他者との関係作りを促す施設よりもよっぽど他者に気を使わなければならないという特異な施設だと思います。だったら内外の連続性だの居住性だのとまったりした作為は実は役に立たない、規則だけを与えるだけなのが最善だ・本来的だということなのでしょうか?
書架という回路を結ぶ人というBUS、閲覧机はさしづめRAMとか。当然中身は外から見えないのがコンピューターだから大きな開口部はいらないし…。

どうあれ、ICチップに入り込んだ事はないのだから、そう思えた体験というのは新しいとおもいました。

水曜日, 4月 20, 2011

TAROの塔

岡本太郎さんの生誕100周年だそうです。
テレビでTAROの塔というドラマが放送されていました。
太郎氏が中国戦線に送られて1年足らずの捕虜生活から復員したあたりの話から始まりました。
画面は戦後の焼け野原、何もない事がかえって太郎氏は意欲が沸いたとかで、焼け野原で鼻歌を歌うシーンが今ニュースでみる何もない瓦礫だらけの被災地とだぶります。そこに余震情報のテロップがライブで入り、しかもそれは録画された1ヶ月ほど前の番組で…、現実とドラマがオーバーラップされてわけがわからなくなります。

太郎さんは劇中「太陽は無限に与える」とも言っています。
ドラマの中では、日本がそこから万博まで怒涛の発展を遂げていきました。

偶然のなせる凄い演出を見た気がします。

日曜日, 4月 17, 2011

建築家カタログのフォーラム

建築家カタログの緊急フォーラム「震災を考える」を拝聴しました。

会場の山岸製作所のショールームは満員です。
隣に座っておられた方が「今日は多いな」とつぶやかれていましたから、この震災に対する市民や建築家の思いは強いのですね。

阪神や能登の地震のときの被害の事例から、その時の建築家が果たした応急危険度判定の説明などから始まり、今後の住宅のつくりかたや東京での当日の様子の報告などがありました。
最後に金沢の建築家のお一人が先週一週間被災地に入り文化財などの被害の視察に行ってこられた説明がありました。「なにか建築家ができると言う状態ではなかった。」という生々しい報告には多分我々がテレビで見ているよりもっとひどい惨状なのだろうと想像できます。
そして宮城で金沢から来たと告げると、宮城では昔飢饉の時に金沢から技術支援に来て助けてもらったと言われたそうで、地元では結構有名な話だそうです。それならば今回も金沢が何かをできるんじゃないか、でも何が…、とみんな悩んでいます。すでに被災者の方に空き家を提供されている方の報告もありました。
日本の人は昔から交通や通信が未発達でも隣近所を超えて協力していた事を知りおどろきました。

先が見える事もなく悩んで終わりました。なのに何故集まって議論しちゃうんやろう?

その答えをその夜、NHKでマイケル・サンデル教授の「大震災特別講義」で話してくれました。
ジャンジャック・ルソーは18世紀当時、他者への共感は限定的だとして、「ヨーロッパにいて日本で災害が起きたとしてもヨーロッパで起きた場合と同じ衝撃は受けない」としたけれど、これにみんな同意するか?との質問にほとんどの人は同意しないとの反応です。現代は地域を越えて他者へのシンパシーを感じると…。