震災後、なぜだか呑気に建築探訪っていうのもどうかと更新できずにいます。
でも新しい建物ができると見たい衝動に駆られます。
ということで、金沢市の未来図書館に行ってきました。
設計はシーラカンス、プロポーザルで選定された建物で白いキューブに無数の孔が開いている外観が何か新しい空間を予感させます。
まさかこの孔が「海」つながりで船の窓とかじゃないよな~、などとベタな事を考えて中に入ります。
プランは2層吹抜けの書架スペースに面して2層の閲覧スペースが面しているというシンプルなもので、わりと見掛ける空間構成で安心した感じです。
内部空間にはあまりヒエラルキーがなく造られています。
外部空間との連続性とか、居住性とか、スペースの分節とかが図書館建築にとって重要な時代がこのあいだまであったように思いますが、それらに重きを置いているようではありません。
壁面に書架を設けていないからなのか「本に浸っている」という今までの図書館での体験とも違います。
無数の規則正しい丸い小さな窓の効果もあってか、データーの集積装置といった印象です。どこに何の情報があるか全体が見渡しやすくて把握しやすいです。小人になってICチップに入り込んだようでもあります。
図書館というのは、大勢集まっているのだけれどお互いにコミュニケーションはなく、それなのに他者との関係作りを促す施設よりもよっぽど他者に気を使わなければならないという特異な施設だと思います。だったら内外の連続性だの居住性だのとまったりした作為は実は役に立たない、規則だけを与えるだけなのが最善だ・本来的だということなのでしょうか?
書架という回路を結ぶ人というBUS、閲覧机はさしづめRAMとか。当然中身は外から見えないのがコンピューターだから大きな開口部はいらないし…。
どうあれ、ICチップに入り込んだ事はないのだから、そう思えた体験というのは新しいとおもいました。
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