今年最初のオープンハウスへ行ってきた。
りでこでやの工藤さんに案内をいただいたものです。工藤さんは女性建築士、女性の登場は初めて。
施工はダイモンシステムさん。お話をうかがうと設計者⇔施工者というより、大門さんと工藤さんの共同作業のような感じみたいです。
自然素材・無垢の木材にこだわった家というのが特徴です。というと流行の自然系かと。
しかしお二人の話をよくお伺いすると、はやりすたりの範疇ではなく、長持ちする家・地産地消の家で自然にも、住み手にも、地域にもやさしい建築でありたいとのお話が大変感銘を受けた。今までいくつも見たオープンハウスでは聞けなかった話だった。
最近の木造住宅はほとんど工場のマシンで材木を加工するプレカット工法を用いて現場の大工さんの仕事は組み立てるのが主な仕事、現場では仕口(ジョイント)を加工しませんが、この住宅は全て昔ながらの手作業で大工さんが現場で加工したそうです。
なぜそこまでするかというと、プレカットと手加工では材木どうしのジョイントの精度がぜんぜん違い、金物ジョイント全盛の今の工法では木組み軽視がされている事に不安を持っているからだそうです。
内部の仕上げは呼吸する珪藻土を使っています。薄塗りの珪藻土で呼吸の効果が本当に得られるか?との疑問には、「昔のように厚くぬれないのは判っているので面積でかせいでいる」とのこと。それなので天井まで左官仕上げです。これは仕事が上を向いてするので大変な工事でなかなか用いる現場はありません。
そして本気を感じるエピソードは「珪藻土といっても化学糊入りのプレミックスは使わない」ほんとの土と石灰を練って塗っているそうです。
そして防蟻剤も科学薬品ではなく柿渋を利用することを研究中だそうです。最近は海外のシロアリで屋根から侵入するものが国内でも発見されていて、その対応も研究中とのこと。
そんなことをしていると工事費が当然高くなるのですが、それは既成の流通ルートや職人が楽な既製品の建材を使っていてはだめで、足を使い、アイデアを捻り出し良いものを出来るだけ安く調達する努力をしているそうです。 階段の凝ったデザインに見える手すりは自動車部品の型抜きの後の廃材利用だそうです。なんだかかっこいい。
足とアイデアと信念でできた住宅で勉強になりました。
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