木曜日, 8月 05, 2010

CAAKレクチャーシリーズVol.34

先週の土曜日にCAAKのレクチャーにっ行って来ました。

CAAKは、Center for Art & Architecture, Kanazawa の略称で金沢の建築・アート関係者グループが寺町の町家で全国のアーティストや建築家を招きレクチャー・ワークショップを行っています。
今回初めてレクチャーに参加しましたが,今までに全国から若手のそうそうたる顔ぶれが金沢を訪れ寺町でレクチャー・ワークショップを行ったそうです。

なぜ寺町で?車も置けないし町家は暑いし。
江戸時代、金沢城の搦め手を外敵から守るために、寺院を装った防塞拠点が「寺町」。
金沢のアートの前線基地となるCAAKのメンバーがこの場所を選んだのも当然の帰結のような。
町家をアートスペースに利用するオルタナティブスペースとうたっているが、実は防御する町から導入する町へ、軍事からアートへ転用しようと目論んでいるのでは。
CAAKの活動はゲリラ的らしい(そういえばレクチャー案内のメールも直前にもらった)。
忍者寺から歩いて3分…、忍者・ゲリラ。   
……やはり寺町でなくては活動できなさそうだ。

と、冗談はこのへんで。





今回は先日オープンハウスを見学した長田直之さんのレクチャー。
見学した住宅「YO」が興味深かったためぜひとも長田さんの考え方を聞きたかった。
レクチャーのテーマは「多元的であること」
なんとなく腑に落ちないテーマ、安藤忠雄事務所に勤務されていた事を考えると「多元的」になるのかな?と思いながらレクチャー開始、…にはならない、プロジェクターが故障して走査線だらけ。
しばらくスタッフの方がメンテナンスをしたが直らず。すだれの上にプロジェクションしている感じでそのままスタート。

お話は、マティスの礼拝堂、ジョン・チェンバレンの車をスクラップにした作品、そして能美の住宅。全然関係ないような物が「多元的」というキーワードで繋がるストーリー展開自体が興味深い。長田さんの思考が多元的だということがよくわかる。

住宅Yoは9m×9mの正方形を9つにバラして再統合して出来ています。最後におっしゃったのが「ばらばらなものがいっしょにいる、いしょにいるのにばらばらだ」という現代社会の状態に興味があるとのことであった。
もとは1つの正方形だという住宅、多元的といいながら、本当は根っこの部分は一緒なんだよというメッセージだったのだろうか?

もしかしてプロジェクターの走査線で写真や図面が分断されて見えるのも「ひとつ⇔ばらばら」演出なのか?


レクチャーもパーティーでも、なんていうか嫌味のないおおらかな「おっさん」的でいて、鋭いことを言うところがいい感じで、施主の「長田さんのファンだ」という言葉がすごく印象的でした。






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