地球環境を守るため、色々な省エネ対策が考えられ取り組まれている。
しかし、これが営業戦略として使われ、誤解を招く宣伝が良く見受けられる。
例えば、「オール電化住宅は環境に優しい」と宣伝していたりするが、ちょっと違う。
確かに電気エネルギーは、その場では炭素や酸素を消費しないし、二酸化炭素や炭素粒子を出しません。
しかし、現時点の火力発電エネルギー変換効率は40%程度で、送電ロスは2%前後。
電気を熱エネルギーに変換するときの変換効率は50%程度になってしまうと言われている。
つまり、100のエネルギーを電気に変換して、電気を熱エネルギーに再変換すると、19~20%程度のエネルギー効率になってしまっている。
この現状を正確に捉える必要があると共に、一刻も早く次世代エネルギーの構築が必要なのであろう。
ここで少し原点に返って考えてみると、
我々人類は、あまりにも機械的快適性を求めすぎているのではないでしょうか?
快適性を求めるあまり、冷房のガンガンかかった部屋で、足元の寒さ対策のため膝掛けをして仕事をしていたりする。これって本末転倒ですよねぇ。
近年は、クールビズや自然通風の利用なども積極的に行われていますが、一度味わってしまった快適性はそう簡単には変えられません。
しかし、「夏は暑いもの」「冬は寒いもの」と言う当たり前の事を再認識するべきなのかと思う。
四季豊かな日本の季節感を味わう余裕があれば、もっと豊かな生活ができるのではないでしょうか?
以前に講演会で聞いた、金沢で老舗店を営んでおられる方のお話が心に残っています。
その方のお宅は、いわゆる金澤町家で、先祖代々大事にされてきており、ご自身も大切に思って住まわれていらっしゃいました。
しかし、ご本人の気持ちとは裏腹に、ご家族からは非難ゴーゴーだと言うのです。
歴史あるお宅なので、当然断熱材なるものはありませんし、隙間風も入り込むので、冬はかなり寒いそうです。
また、町家ならではの特徴の「トオリニワ」に台所があるので、台所仕事は履き物を履いてしなければならない。
当然、ご家族はもっと温かくて便利な家に住みたいと思うのは当たり前です。
しかし、その方は、ご家族にこう言って説得したというのです。
(説得出来たかは不明ですが…)
「冬は寒いのは当たり前で、寒ければもっと温かい服を着れば良いじゃないか!」
「台所仕事をしながら、そのまま直接外に出られるではないか!」 と、
少し極端かもしれませんが、発想の転換が重要だなぁと思いました。
今の時代、なかなか理解してもらえないと思いますが、もう少し我慢できる「暑さ」「寒さ」を探してみるのも良いのではないでしようか?
私たち人間も自然界で生きている生き物なのだから…。
本来もっている環境への適応能力があるのだから…。
きっと健康的な生活ができると思う。
建築的な話から少し脱線したようですが、ご勘弁を…。
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