金曜日, 10月 15, 2010

安江工芸館の開館記念 藤森照信さんの講演会

日本の建築史の現在のリーダーである藤森さんの講演会に行ってきた。
藤森さんのお話を伺うのは始めてなのですが、藤森さんが方々で出筆されている建築の歴史の話は従来の学者然とした先生の文と違い解りやすく、また面白い視点で述べられていてよく読んでいた。きっとお話も面白いに違いないと期待して行った。

安江工芸館の開館記念講演なのでテーマは「建築と金箔」。
金箔というと金沢人には馴染みの深いもの(日本のシェア90%だそうです。)ですが、工芸品や仏壇仏具というイメージが強く、建築とどのように話が繋がるのだろう。

まず建築に人類が最初に金箔を使ったのはエジプトのピラミッドだと指摘。最近の調査で先端部分が黄金に輝いていたことが解ってきたそうです。そしてそれは太陽信仰から来ているとのこと。そこから話の時代が徐々にかって行き地域も日本の寺院の話にたどり着くのですがやはり金と建築は信仰との関係で語られて行きます。



そして私が興味深かったのは、信仰や建築が哲学や理論性を纏うと金が使われなくなって行ったということです。キリスト教が中東からトルコを通ってローマに至る過程でギリシャで哲学に洗われた事で金ぴかのおどろおどろしさが消された。建築表現も近代思想に洗われて金から銀、最終的には白にまで漂白されたとおしゃっていた。
その話はシンプルなものに惹かれる自分の嗜好の元を解説されたような気がした。

そして、藤森さんは自作でも金箔を採り入れているそうで、金という材料はつかみどころがなく不思議な材料で建築では使い方によって面白い効果を生むとの事。
スライドではその効果はあまり感じれなくて実感がありませんでした。

自分がとっさにイメージする建築の金箔使いは上は金閣寺、下はホテルやデパートの壁面やドアの流水文様の金箔で、むしろ金であることでチープに見える「悪しき金沢らしさ」です。

おもしろいものと言われる「金」はやっぱり難しい「金」でもあるきがします。


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