木曜日, 3月 24, 2011

安藤忠雄講演会

安藤忠雄さんの講演会に行きました。
お題は「地方に明日はあるか」です。
地震の後でもあるので、どのような展開の話になるのか?
定員800人の会場は満員、金沢の建築関係者・建築学生のみならず専門外の方も大勢いらっしゃるように見受けられた。やはり世界のANDOである。プロフィールによれば1941年生まれ、同年生まれは早川邦彦さん、長谷川逸子さん、毛綱毅曠さん、伊東豊雄さん、葉祥栄さんら、槙文彦さんが「野武士」と呼んだ世代です。
その代表格が安藤さんと伊東さん。今現在の建築界からの注目度は伊東さんが高いと思います、世間の認知度で言えば圧倒的に安藤さんだと思います。そのちがいというのは伊東さんの挑戦相手が建築そのものや歴史みたいなかんじで、安藤さんの挑戦相手はもっと現実と近いところという感じがします。

冒頭、震災の犠牲になられた方への黙祷がささげることから公演が始まりました。
外国から見れば、日本の大人は良く働き、子供の目が輝いていて見えている。きっと今回の試練も日本は乗り越えられるといっておられた。
それには挑戦を恐れず、前を向いて、大阪のおばさんみたいに元気にしなければならないとおしゃっていた。
びっくりしたのが、「前を向いていれば少々の能力の差なんて関係ない」と言い切っておられた事です。
そして何度も繰り返した言葉が「くふうする」でした。困ったときはいつも何かを工夫してそれを乗り切ってきたとプロジェクトの紹介で繰り返していました。


いろんな、環境や幸運などもあったのかもしれない、当然努力も並ではないと想像できます、ただのいい人であるわけでもないのかもしれません、それでも「前向きでいて」「工夫する」事、至極当たり前でよく聞くことばを本気でやっている事が世界の安藤になった根本だと言う事は嘘じゃないと思います。特に斜に構えるわけでなく、難しく語るわけでなく、前向きに考えて造る。それはSANAAのすなおに考えると言う事とどこか通じる感じがします。両者は、ある意味では対極的な建築ですがどちらも語り口や書いたものにはまったく難解さがないところは共通しています。

まだまだ被災地は予断をゆるしませんが、彼の言う大人が良く働き、子供が目を輝かせ、前をむいて、工夫すれば、きっと復興すると「良い暗示」がみんなにかけられたのではないでしょうか。

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